うつ病の代替医療に注目
ツボ刺激が心に届くタッピングとは

日本TFT協会理事長 森川綾女氏に聞く


海部隆太郎 (かいべ・りゅうたろう)  ジャーナリスト

日本工業新聞記者、IT企業の広報部長を経て、現在フリージャーナリストとして活躍。

うつ病蔓延時代への処方箋

うつ病対策が叫ばれているが、減少する兆しは見えない。うつ病蔓延の原因は不景気の影響や豊かさの中での愛情の欠如など、多様な背景があげられるが、定かではなく、証明できるものもない。こうした状況を踏まえ、うつ病患者の実態と対策、予防策について、あらゆる角度の専門家たちにインタビューする。

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現代医療の枠外に瞑想やタッピングなどの代替医療がある。これらは薬物中心の医療とは違い、人間が本来もっている体の仕組みに対し、自らの力で働きかけ、抑うつ的な気分の改善を図るのだが、概して持続性が必要であり、効果が出やすい人とそうでない人がいる。半信半疑という感想が大半ではないだろうか。今後、第3者の研究機関などによる実証データの蓄積、効果検証がなされることを求めたい。今回は米国で生まれたタッピングについて、日本で普及促進を展開している森川綾女・日本TFT協会理事長にTFT療法について聞いた。

森川綾女(もりかわ・あやめ) 
米国ウェスタン・ミシガン大学(政治学)卒業。カリフォルニア・コースト大学大学院心理学専攻。1998年心理研究所を開業し、その間にTFT(思考場療法)と出合う。2000年よりTFTの創始者、ロジャー・キャラハン博士のもとで学び、米国TFTセンターにてトレーニング、臨床に従事。2004年、日本TFT協会設立、理事長に就任。主な著書に『ツボ打ちTFT療法』(講談社)、『たった2分で心がスッキリする「体のツボ」』(知的生きかた文庫)など。心理学博士。TFTセンター・ジャパン代表、東邦大学医学部客員講師。

治療者に依存しないセルフケア

―― TFTとは、どのような治療法なのですか。

森川:TFTとは英語の「Thought Field Therapy」の頭文字をとった名称です。日本語では「思考場療法」と翻訳しました。「TFT療法」という名称も使用しています。悪用されるケースがありましたので、この3つの名称は商標登録し厳格に管理しています。

 TFTは、東洋医学である鍼のツボを指でタッピングして、ストレスなどメンタル的な悩みを解消していく手法です。新しいセラピーと考えてください。鍼灸は広く認められている治療法ですが、鍼ではなく自分の2本の指でトントンと軽くツボをたたくだけです。心は体と繋がっているわけですから、不安、恐怖、悲しみ、罪悪感、怒り、パニックなど、広い範囲の症状を改善させることができます。自分の指でツボをたたいているだけなので、当然ですが副作用はありません。

 考え方を変えていくことではありません。仕事で受けるストレスで怒り、悲しみ、辛さなどマイナス感情が湧き起こるとき、そのままにしていれば、何度も思い出し、いやな気分を繰り返すことになります。これはストレスの蓄積です。そうなる前にタッピングすることで気持ちをやわらげてしまう。

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「うつ病蔓延時代への処方箋」

著者

海部隆太郎(かいべ・りゅうたろう)

ジャーナリスト

日本工業新聞記者、IT企業の広報部長を経て、現在フリージャーナリストとして活躍。

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