ペコペコ・サラリーマン哲学
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金児昭のペコペコ哲学(7)接待・前編

初めて受けた竜宮城のような接待


私は38年間、経理・財務を叩き上げてきて、最後の7年間は、役員として経理と財務と法務と、それから購買を担当しました。

 購買の担当になった第一週目の月曜日、購買部長が私のところに来ました。「実は火曜日と金曜日に招待が入っています」と。モノをうちの会社に売る相手の会社が、招待をしてくれるというのです。私は「そういうものなのかな」と思いました。それまで経理・財務では招待されることはほとんどありませんでした。

料亭から六本木へ

 当日、黒塗りの車が迎えに来ました。行き先は立派な料亭でした。何十畳もあるような部屋に通されました。座る席の座布団は分厚く、うまく乗っからないとひっくり返って落っこてしまうほどの厚さです。

 こちら側が3人、相手側も3人。隣の席との距離は3mから4mもあります。広いテーブルですから相手との距離もすごく遠い。向こうの会社の人にも、自分のところの部下にも普通の声で話しかけたのでは聞こえないんじゃないかって思うほどの距離です。

 それから2時間、仲居さんにお酒を注がれたりしながら食事です。分厚い座布団の上で普通の生活とはかけ離れた状況で1時間たったら襖がぱっと開きました。向こうにまた座敷があって、そこへおたいこ、おなかの前に大きい帯を締めている女性が3人くらいで踊りだしました。きれいだなとは思いますが、よくわからない。みんな拍手をするから、私も真似しましたが、生まれて初めてだからどうしていいかわかりません。

 そうしてさらに1時間くらいたつと、「じゃ、2次会に参りましょう」とこれまた車に乗って六本木のほうに行きました。どこだかわかりませんが、店に入っていすに座ったら、体が半分以上お尻からのめりこんじゃうほどふかふかで、両足が上を向いてひっくり返って頭から突っ込んでしまいました。そういうところで、きれいな女性の人たちに囲まれ、値段の高そうなウィスキーなどの接待を受けました。

 それが購買担当になった翌週の火曜日でした。それと同じようなことがもう1回、金曜日にありました。「これはこの世のものか」と思いました。「竜宮城へきちゃったのではないかな」と思いました。

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