対談

2014年10月2日

 人口減少の進行と地方経済の衰退を受けて、第二次安倍改造内閣が重要課題として掲げている「地方創生」。「官僚や有識者を地方に派遣し、地域の声を聞く」「補助金バラマキにはしない」などと政権内部からは勇ましい声が聞こえてくるが、具体像はまだ見えていない。

 一方で、「創生」される側である地方に目を移すと、B級グルメやゆるキャラのブームが全国津々浦々まで浸透した感もあるものの、それによって本当に地域の活性化は果たされたのか、疑問も多い。

 まちをひとつの「会社」に見立てて経営を立て直す事業に携わる木下斉氏と、経済学の立場から都市と地方のあり方を模索する飯田泰之氏の対話は、戦後日本と地方の関係を象徴する「新幹線」を問い直すことから始まった。

新幹線で地方は復活するのか?

木下:北陸新幹線が来年の春に開通します。地方には相変わらず新幹線待望論が根強いのですが、それが果たして地域活性化につながるのかというと、そうとは限らないと思うんです。つまりそれで地元に流入するお金が増加するのかという問題ですね。

飯田:新幹線の駅があるということには、とてつもないメリットがありますが、それは移動する人、つまりは頻繁に地域間を、もっといえば東京とその地区を行き来する人にとっての利便性でしかないですよね。

木下:その移動に関するメリットは絶大ですよね。地方から仕事の依頼を受けるときも、近くに空港か新幹線駅があるかどうかはすごく気になります。どちらもない場所に行くためには半日、場合によっては丸一日かかってしまう。地域外から行く人にとってのハードルは、きわめて高いですよね。

飯田泰之さん(左)と木下斉さん(右)

飯田:そうですね。空港から大きな街が近いとか新幹線の駅前が中心街という地区だと下手すると関東近県のちょっと不便なところよりも「東京に近い」とさえ感じられますからね。

木下:地元の方にとっても利便性がまったく違います。アクセス圏内に駅か空港があれば、地域内から地域外への人の移動は確実に増大します。

飯田:入ってくる人が多くなるということは、出ていく人が多くなるということでもありますよね。

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