WEDGE REPORT

2014年10月28日

 これまで「イスラム国」を放任し、成長させてきた国が焦りをみせている。2014年8月、アメリカはイラク、シリアで大攻勢をかけていた「イスラム国」に対しイラク北部での限定的空爆を開始した。爆撃の範囲は次第に拡大し、イラク西部のアンバール県でも「イスラム国」の拠点が空爆された。9月にはフランスも空爆に参加し、軍事行動やその支援に参加する国も増加した。

フランスで行われたデモ。世界が「イスラム国」の動向に注目している (REUTERS/AFLO)

 アメリカはさらに、9月22日にはシリア領内でも「イスラム国」を含むイスラム過激派諸派への空爆を開始し、これにはサウジアラビア、バーレーン、カタール、UEA、ヨルダンも参加した。

 アメリカは「イスラム国」を攻撃するにあたり、「国際同盟」の形成に腐心した。これは、イラクやシリアの紛争で特定の勢力に肩入れしているとの批判を避けるためと、今や「イスラム国」の問題が単独の国家や狭い地域の問題ではなく、世界規模での対策を必要としているからである。

 「イスラム国」に国際的な対処が必要なのは、同派が中東地域などにおける既存の国家や国境を欧米諸国の侵略による押し付けとして否定していることもさることながら、より重要なのはイラクとシリアにおける「イスラム国」の活動のため、世界各地で「ヒト、モノ、カネ」すなわち資源が調達され、「イスラム国」に送り込まれているからである。

 例えば、「イスラム国」に参加する非イラク人・非シリア人の戦闘員の数は1万5000人以上と推定されているが、彼らの国籍は80カ国以上にわたるとされている。また、彼らはイラク軍やシリア軍から奪取した物とは異なる高性能の兵器で武装し、そうした兵器にはアメリカ製の兵器も含まれる。

 さらに、同派にはアラビア半島諸国の様々な個人・団体から多額の資金が提供されている。こうした資源の大半は、イラク、シリアと国境を接するトルコを経由してほとんど規制や取り締まりを受けることなく「イスラム国」に提供された。

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