週末特集

2014年12月7日

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 「週刊東洋経済」の最新号(11月29日号)の特集で、リクルートが今年4月にネット上で話題になったリクナビの「エントリー煽り」について釈明し、反省の弁を述べています。

 以前、「Wedge」2014年4月号(3月20日号)の特集で、「不満続出するリクルートのビジネスモデル 『就活』が日本をダメにする」と題し、広告料を出している企業におもねって学生に大量エントリーを煽り、結果的に大勢の就活難民を生み出している就活ナビサイトと、このビジネスモデルを先導してきたリクナビの問題点を指摘しました。

 その時、リクルートにも当然取材を申し込みましたが、リクルート側はこの取材を拒否。10月の上場を経たこのタイミングで反省のコメントを寄せていることに、リクルートという企業の体質を感じざるを得ません。それでは、あらためてその時の特集記事の一部をご紹介いたします。

就活生が鵜呑みにする 「就職ナビサイト」の危険性 かつて私も書いた“提灯記事”
「違う、人生はマラソンじゃない。どこに走ったって、向かったっていい。自分だけの道があるんだ。ゴールは1つじゃない、それは人間の数だけある。全ての人生がすばらしい」。生きることの多様性を訴えたリクルートの感動的なCM。しかし、かつて人材業界のリクルート関連企業に関わり、現在、大学教員として、その企業のサービスを受けている大学生の実態を見ている私には、このCMが「胡散臭いもの」に見えてしまった。かつて私はライターとして、この業界から仕事を受けていたが、美辞麗句の盛り方は、ある意味「カネ次第」。カネを盛ると話も盛られるという構図が出来上がっている。優良企業もブラック企業も、みんな「すばらしい会社」と「評論」されるのである。(新井克弥・関東学院大学文学部教授)

ドワンゴ・川上量生会長

ドワンゴ・川上量生会長「受験料徴収」の真意 大量の“廃人”を生み出す「就活」
ごく一部の人気のある大企業は、大量にエントリーしてきた学生の上澄みを採用すればいいから、今のあり方で得していると思います。「就職の機会を均等に与える」という美名のもとに、実際はリクルートと一部の大企業が得をする仕組みでしかない。こういう大企業の倫理も問われていいと思うんです。リクナビを今のまま続けると、採用方法の画一化が一段と進むと思います。数を絞るために学歴やテストで足切りされるにもかかわらず、受からない会社にエントリーし続ける。本来は学歴などだけで判断はできないはず。人の能力は、環境で相当に左右されますから。

 「新卒一括採用」という日本のシステムが抱える問題には、大前研一氏に斬り込んでいただきました。

「有名大学卒ということだけで採用している人事部長はクビにすべき」と語る大前研一氏(撮影・淺岡敬史)

大前研一氏が斬る就活 「新卒一括採用」に国際競争力なし
日本の新卒採用は、世界の流れについていくことがまったくできていない。新卒で会社に入ってくる人は、ひ弱だね。今のままでは、グローバル化に対応することなんてできるわけがない。彼らは国内の企業できちんと働くこともできないと思う。「大学を卒業した学生の内定率が8割を切った」と大騒ぎをしたり、「新卒後、3年過ぎた者も“新卒”とみなす」としているのは、まさに本末転倒で日本しかない。

 「新卒一括採用」が抱える問題点については、2012年8月に掲載した以下の記事も参考になります。

景気に左右される若者の雇用 「新卒一括採用」のデメリット
企業側には低コストで効率的に大量の人員を確保できるメリットが、求職者には経験者と同じ土俵で争う必要がないといったメリットがある。しかし、新卒一括採用は景気変動の影響をその時々の若者に押し付けるというデメリットを持っている。そして「新卒」という肩書きを失った瞬間に、労働市場で差別的な扱いを受けることになるのだ。いったん、既卒で無業、もしくは非正規社員となると、その後正社員となる確率は限りなく低くなってしまう。(島澤 諭・総合研究開発機構主任研究員)

  
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