戦後70年を迎える
2015年の日中韓関係


世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察するコラム。

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アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のオースリン日本研究部長が、12月30日付ウォールストリート・ジャーナル紙掲載の論説において、第二次世界大戦終結70周年に当たる2015年に日中韓は今までにない政治手腕をもって歴史問題から解放されるべきである、としつつ、その実現性には悲観的な見通しを示しています。

 すなわち、2015年には第二次世界大戦終結70周年を迎えるが、アジアでは歴史問題が厄介の種になり得る。日中韓の関係が近年最悪に冷え込んでいる時に終戦記念日を迎えることになる。長年にわたる相互の悪感情、不信、憎悪の結果、よほどの政治的手腕がなければ、大衆の騒乱、予期せぬ紛争の可能性がある。未解決の領土問題の存在は破局を惹起しかねない。特に日本は、中韓と対立しているので、懸念すべきである。

 習近平は12月に南京大虐殺記念日の式典に出席することで、2015年にどういう姿勢をとるか示した。中国当局は、過去の戦争を民族的誇りの中心に据え、今日の日本を事実上の敵国として大衆の心に植え付けている。

 日本のナショナリストによる南京大虐殺やそれに類する残虐行為の否定や、日本の過去の戦争犯罪への謝罪の見直しを示唆するような日本政府の曖昧な発言が、中国の民族主義的な指導部を勢いづかせ、日韓関係を凍り付かせている。

 70年間、東アジアは歴史の罠に囚われており、果てしなき憎悪に落ち込んでいる。中韓の世論調査は、民主国家日本を最大の脅威と位置付けている。

 悪い関係だけでも懸念に値するが、民族主義的情熱が地域の海に溢れ出している。東シナ海では、中国が尖閣への日本の支配に挑戦している。日本海では、日韓が竹島の領有権を争っている。双方の船の衝突のような小規模な事故でも、制御不能になり得る。

 2015年に必要なことは、これまで東アジアに欠けていたタイプの政治的手腕であり、各指導者は、感情を鎮静化させ未来志向になるための重要な役割を果たすべきである。

 安倍総理は、戦争についての最大限の謝罪をすることを考えるべきである。安倍総理は、日本の戦争犯罪を明確かつ詳細に認めることで、新たなページをめくり、アジアにおける協力強化、市民社会の強化に回帰することができよう。習近平は、自由民主主義の日本がアジアの平和に対する脅威ではないことを認め、新しい協力の時代を約束すれば、東京から好意をもって迎えられよう。韓国の朴槿恵大統領は、日本をアジアの最も緊密なパートナーとして受け入れ、対北朝鮮から日米韓の連携強化に至るまで、中身のある協力にコミットすべきである。

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