WEDGE REPORT

2015年7月10日

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ジョン太郎 (じょん・たろう)

現役金融マン

大手銀行入社後、日系・外資系の様々な金融機関で、商品開発や戦略企画などの要職に就く。投資信託や不動産ファンド、ヘッジファンド、機関投資家の自己資金運用など様々な分野で投資・運用ビジネスに携わり、株式・債券・為替・REIT・不動産・コモディティ・デリバティブ等、多種多様な金融商品に精通。2005年より、ブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」を開設。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわる様々なトピックをわかりやすく親しみやすい言葉で解説し、人気を博している。近著に「外資系金融マンがわが子に教えたい「お金」と「投資」の本当の話」。そのほか、マネックス証券の「マネックスラウンジ」にてコラム「お金の相談室」連載中。著書に「ど素人が読める決算書の本 第2版」「ど素人がはじめる投資信託の本」(いずれも翔泳社)がある。http://jovivi.seesaa.net/

 

 8日のアジア株式市場は中国株式の大幅下落をきっかけに各市場が前日比-1〜3%の大幅下落となった。日本株も前日比3%以上の下落で取引を終えた。下げ幅が大きかったのが中国H株市場で、一時9%以上下落し、終値は前日比6%以上の下落となった。

株価下落を嘆く中国人投資家(Getty Images)

中国の株式市場の種類 H株、A株、B株

 中国企業の株式に投資できる市場は様々な種類があるが、主なものは以下の3つ。 

 ①H株・レッドチップ:香港証券取引所で香港ドル建てで取引される。取引するのは主に外国人。機関投資家も多い。

 ②A株:上海証券取引所と深セン証券取引所で人民元建てで取引される。取引するのは主に中国人。機関投資家は少なく個人投資家が多い。

 ③B株:上海証券取引所と深セン証券取引所で香港ドル・米ドル建てで取引される。取引するのは主に外国人。機関投資家も多い。

中国人の個人投資家がメイン 奇異なA株市場

 中国人の個人投資家がメインの中国A株市場は世界を見渡しても珍しい特殊な市場だ。機関投資家の参加が少なく、割高かどうかも考えない個人投資家たちが多数参加し、感情的に動く。資金は一方向にまとまって大きく動き、時に価格を大きく上下させる。透明性はさほど高くなく、金融市場として洗練されているとはとても言い難い。

 政府がたびたび口を出してきて、しょっちゅうコントロールのために出張ってくる。このような奇異な市場が、とても小さな、とるに足らないような市場ではなく、世界一の売買代金を誇り、世界で2番目に大きな時価総額を誇る市場なのだ。

 そんな中国A株市場は、頭打ちとなった不動産投資の後継として、中国の人々の次なる投資先・投機先となった。とんでもない数の人々がとんでもない金額のお金をA株市場に投じ、A株市場では先月までの1年ほどの間に株価が平均で2.5倍にも上がった。

 先日のギリシャの話の時にも書いたが、株価というのは<利益>×<PER(株価収益率、株価が利益の何年分かを示す倍率)>で、簡単に言えば<100円の利益を稼げる>会社を、<利益の10年分>の価格で買い取れるというのが株価1000円、PER10倍の意味である。

 1000円で買った会社の買取資金を、買った会社が稼ぎ出す利益で10年で回収できるということを示す。当然ながらより短い期間で回収できる低い倍率、つまりPERの数字が小さいほど割安ということになる。利益が2倍になれば同じPER倍率でも株価は2倍になる。

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