サイバー空間の権力論

2015年7月22日

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 前回は若者に人気のアプリ「ミックスチャンネル」を通して、SNSが現実社会と同様のフィルタリング効果とコミュニケーションの差異化をもたらしている現状を考察した(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5061)。SNSごとにみせたい自分を見せる、そうしたコミュニケーションの変化を、しかし若者自身がどれほど負担に感じているかについては、様々な立場からの研究が進められており、今後の展開にも注目する必要があるだろう。

 今回は、インターネットの最新事情ではなく、文化としてのロボットに焦点を当ててみたい。巷では巨大ロボットの対決から、災害現場で活躍するヒューマノイド型ロボットの開発競争など、様々なロボット技術の発展が期待されている。にもかかわらず、我々はロボットをどのような存在として認識しているだろうか。近い未来、政治的にも経済的にも注目を浴びるであろうロボットのこれまでとこれからに注目したい。

競い合いの中で成長するロボット技術

 まずは巨大ロボットだ。造形作家とロボット制御ソフトの開発者がタッグを組んだ「水道橋重工」。人が乗り込んで操縦する巨大ロボット「クラタス」(全長4メートルに重さ4トン)を開発した彼らに、アメリカのメガボット社が同様のロボットを開発し、クラタスに挑戦状をYouTube上で叩きつけた。水道橋重工はこれに受けて立つ構えだ(詳細はhttp://wired.jp/2015/07/07/japan-us-epic-giant-robot-duel/を参照)。

画像:iStock

 ヒト型ロボットの開発も進んでいる。去る6月にアメリカで行われた大会では、6つの国と地域から選ばれた23チームが、災害現場で働くロボット技術を競った。3.11とそれに続く原発事故を受けて、原発事故を想定し、ロボットを遠隔操作する中で車の運転やドアを開けたり、がれきの上を進むといった作業を競い合うものだ。

 古くからヒト型ロボット開発を行い、人間のようななめらかな関節の開発を続けるなど動くロボット技術では最先端と思われていた日本チームだが、大会は思わぬ展開を見せる。遠隔操作がきかず、ロボットが自律して動く場面になると途端に転倒が続いてしまったのだ。結果、日本チームの圧倒かと思われていたこの大会で日本チームが優勝することはできなかった。

 無論、大会までの開発期間の短さや、日本チームが使用したロボットがずいぶん古いものであったことなど、この大会の結果だけで各国の技術レベルを測定できるとは言い難いが、それでも大会そのものから各国のロボット技術開発の特徴が垣間見える(大会については以下のNHKの番組に詳しいhttp://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3683_all.html)。

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