WEDGE REPORT

2015年9月30日

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 ロシアのシリアへの軍事介入に大慌てのオバマ米政権に再び衝撃が走った。ロシアがイラン、イラク、そしてシリアの3カ国と過激派組織「イスラム国」(IS)の情報を共有する「統合情報センター」の設置で合意したからだ。米国から巨額の軍事支援を受けるイラクの“裏切り”行為にオバマ政権は完全に虚仮にされた格好だ。

イラクの首都バグダッドに「総合情報センター」を設置した (画像:iStock)

戦闘で共同作戦も

 この「統合情報センター」の設置は27日、イラク軍から突然発表された。米国にはまったく事前の通告がなく、オバマ政権は蚊帳の外に置かれた状態で、大慌てでアバディ首相らイラク側に確認を急いだ。

 発表などによると、同センターは数週間以内に設置され、センターの責任者は3カ月ごとに各国が回り番で交代する仕組みだ。4カ国が合意した理由について、イラク軍スポークスマンは「4カ国がテロとの戦いに取り組んでいる」ことを挙げた。

 ロシアのインターファクス通信は「戦闘の作戦立案や部隊を管理する委員会」も創設される可能性を指摘、単なる情報の共有だけではなく、ISとの戦いの作戦でも4カ国が共同歩調を取っていくことがあり得ることを指摘している。

 ロシアのプーチン大統領は米国の「有志連合」に対抗する「反IS連合」を提唱しており、4カ国はこの中核になる見通しだ。

 オバマ政権にとって寝耳に水のこの決定は、アサド・シリア政権に対する軍事支援強化に続くプーチン大統領の中東への影響力拡大の“第2の矢”である。「米国にとっては、“ロシアにまたしてもやられた”という感情よりも、イラク政府に裏切られたという方がショックだ」(ベイルートの消息筋)。

 オバマ政権は昨年のISのイラク侵攻以来、イラク政府の要請を受けて軍事援助を強化。イラク軍の訓練と武器供与に13億ドルも投じ、軍事顧問団3500人を派遣して面倒を見てきた。何よりも有志国連合を形成してイラクやシリアのIS勢力に対する空爆作戦を続けてきた。

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