WEDGE REPORT

2009年10月6日

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 「アフリカ、中でもサブサハラ地域(北アフリカを除く48カ国)は、これまでの援助対象から投資を中心とするビジネスの対象になった。これからは重点的な攻略地域として力を入れていきます」。双日の井上修平執行役員中東・アフリカ総支配人は、今後のアフリカビジネスについてこう期待を込めた。

 双日は2009年度からスタートした中期3カ年計画に、アフリカを重点的な攻略市場として盛り込んだ。この8月には、モロッコにアフリカで8カ所目となる拠点を開設、各地の駐在員も現状の14人から近く21人まで引き上げる計画だ。

 体制整備に伴ってビジネスも着々と進展している。双日が35%の権益を持つエジプトのアラメイン・イドマ陸上鉱区で新たに石油・ガスの探鉱に成功(08年12月)したのをはじめ、アンゴラで日量4200トンの製造能力を持つ最大級のセメントプラントを総額530億円で受注、11年の完成を目指して建設中だ。また南アフリカでは、現地中堅ディーラーと合弁でスズキの四輪車を扱うディーラーを08年6月に設立、年販62万台規模(07年)とアフリカ最大の自動車市場である南アで自動車販売ビジネスに本格参入した。

 中でも石油やダイヤモンドなど資源の豊富なアンゴラに対して双日は、90年代に総額10億ドルの融資を実施するなど関係を深めてきた。今回の大型受注を機に、「こうした同国での人脈や知見を活用」(井上執行役員)して、工業団地造成やセメントプラント増設など新たなプロジェクトを提案、ビジネスにつなげていく方針だ。

三菱商事
成功の秘密は

 日本の商社や製造メーカーが、アフリカにおけるビジネスに熱を入れている。豊富な鉱物資源と、その価格高騰を背景としたGDPの成長や人口増による市場性が注目を集めているからだ。

 アフリカではとくに、レアメタル(希少金属)やレアアース(希土類)といった、エコカーや携帯端末など、次世代製品に欠かせない資源が豊富。中でもプラチナは全世界埋蔵量の89%、クロムが同34%、バナジウムが同23%、コバルトが同53%と、「これからの産業はアフリカの資源の活用なしに成長できない」(水田愼一三菱総研シニア政策アナリスト)わけだ。その資源を狙って、各国企業が触手を伸ばしているのだ。

 そして、今世紀に入ってからの資源価格高騰が、人口増とあいまって、アフリカ市場のポテンシャルを高めた。人口が7億7000万人のサブサハラは、03~06年のGDP平均成長率が19.4%と急伸。資源開発だけでなく道路など社会インフラの整備が進み、中間層の台頭で自動車など消費財市場も拡大してきた。

 もっとも積極的な動きをみせるのが商社だ。相次ぐ内乱などで混乱の極みにあった90年代、ODA(政府開発援助)の減少もあって、多くの日系企業はアフリカ市場から撤退したが、三菱商事は「拠点網を維持、ビジネスを継続してきた」(是永和夫上席顧問)。成果の一つが、関係者が「日本企業の南部アフリカビジネスでの成功例」(木村欣央経済産業省通商政策局アフリカ班長)と言うモザンビークでのアルミ製錬事業「モザール」だ。

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