石油を読む

2015年11月27日

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 石油・エネルギーの世界をご案内しよう。

 この世界は、まったくもってグローバルで、波乱万丈で、経済も国際政治も技術革新も、宗教も歴史も、あくなきお金儲けや国際紛争・戦争、恋と冒険、地球環境を心配する公徳心なんかも、全部、ゴッチャまぜになってあふれ出てきて、誰でも、ワクワクうっとりする。話の柄が大きくて、感動がある。だから私はこの世界に、長く、住んでいる。この稿を読み始めた貴殿が想像するよりも、ずっと長く生きて、ここにいます。

 とりわけ、国際商取引の面白さを、どうしたらお伝えできようか。

 面白いのだ! では、全く説明にならないから、最初にお話の結論を書いてみましょう。

ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)iStock

国際石油価格を決める 4つの性質の情報

 「国際石油価格は、取引当事者たちが時々刻々取り決めてゆく。当事者たちが将来の価格水準を見通す際に参考にしようとする情報には、4つの異なった性質の情報がある。これらはいつもそこにあり、当事者は、どれかの種類の情報を参照して、将来を予測しようとする。が、時に視点を変えて、参照情報の種類を取り替える。4つを臨機に使い分けながら相場を予想する」

 こういう事情を、順を追って、紹介してゆきたい。

 さて、取引当事者とは? 最前線にいるのは石油トレイダーたちです。

 価格は、売り手と買い手との間の取引を通じて決まるのですが、ただし、売り手は必ずしも石油の生産者でなくともよく、買い手は最終需要者でなくともよい。

 生産者と需要家の間に介在するのが「トレイディング」という独特のビジネスで、実は、このビジネスの領域で価格が決まってゆく。石油トレイディングでは、誰かから買ったら、後でかならず誰かに売らねばならぬ。自分で使うわけではない。売り買いの値差で儲ける。だから、まず誰かに高値で売ってしまって、後日、他の誰かから安く買い付けてもよい。

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