中国経済浮揚に求められることは


世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察するコラム。

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ニューヨーク・タイムズ紙が1月6日付の社説で、「中国当局が経済政策を誤り、混乱を招いている。中国は指令と統制による経済運営をやめ、もっと私企業や競争の役割が大きい経済にすべし」と論じています。社説の論旨は次の通り。

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健全な成長率にも関わらず混乱招いた指導部

 中国経済が減速するのは不可避であるが、中国指導部は最近多くの間違いを犯し、無害・自然な減速を、混乱した下降にしてしまっている。

 中国の株は1月初め、1週間で10%下落し、商品価格も下落した。この下落を中国の指導部は経済運営に基本的な変更を加えるべしとの警告と受け止めるべきである。

 世界第2の経済大国中国は、ほぼ1年7%成長している。以前より低いが、健全な成長率である。問題はブームが投資、財政支出、借金(多くは償還されないだろう)によっていることである。中央政府も2008年の金融危機後、年数十億ドルを経済に注ぎ込んだ。しかし、国営企業と私企業、外国企業が競争する改革は行われていない。

 昨年、中国高官は個人投資家に株投資を進め、バブルの発生、崩壊をもたらした。市場が下落した夏、当局は噂の拡散者や投機筋を非難、証券会社や国有企業に買い続けるように命じた。これは問題を見えなくしただけであった。

 教訓は明確である。小手先の株価対策ではなく、当局は投資から消費とサービスに力点を移し、経済を強化すべきだった。中国はもはや農村から工場への人の移動で成長するわけにはいかない。ホワイトカラーの職を増やす必要がある。テレコムや保険分野にも私企業参入を許し、ホワイトカラーの職を増やせば、経済の競争力を高めうる。

 中国は金融システムをクリーンにすべきである。企業や地方政府が何十億ドルの借金をして、高速鉄道などインフラを作ったが、この借金を払える収益が上がる見通しがない。政府は債権者・債務者に債務繰り延べ合意を奨励し、銀行が不良債権で身動きできないようにならないようにすべきである。また非効率な国有企業は閉鎖する必要がある。

 中国経済の世界に占める地位は大きく、中国の取り組みは大きな影響がある。中国は石油、大豆、鉄鉱石などの大消費者であり、中国の需要が減れば、ブラジル、サウジ、南アなどの経済はダメージを受ける。原油は33ドルに下がった。

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