世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年3月28日

 英フィナンシャル・タイムズ紙のディビッド・ガードナー国際問題編集員が、2月25日に行われた議会選挙と専門家会議への選挙の結果について、2月28日付同紙に「イランの改革派が選挙で多くの議席を確保し、力を得ている」との論説を寄せ、イランは変化している、と論じています。論旨は次の通り。

人で賑わうテヘラン市街のモスク(iStock)

選挙結果が示すロウハ二大統領への強い支持

 イラン・イスラム共和国ではイスラム主義者が支配しているとされているが、神政主義者の努力にもかかわらず、共和国の諸制度が反撃を続けている。
選挙の予備的結果は穏健なロウハニ大統領への強い支持を示している。穏健保守派を含む改革派は首都テヘランの30の選挙区すべてで強硬派に勝ったようである。ロウハニとラフサンジャニ元大統領が、ハメネイの後継者を選ぶ専門家会議選挙でリードしている。

 監督者評議会(任命制の候補者審査機関)は改革派数千人を立候補資格なしと排除した。1979年の革命以来の体制側は、97年ハタミが大差で大統領に選ばれたことや、2009年選挙でアハマドネジャド大統領の再選への抗議活動(緑の運動)を力で抑圧する必要があったことから教訓を得ている。擁護者、最高指導者、革命防衛隊など、神政制度はイランの政治を支配してきたが、共和国の諸制度がイランの有権者が希望すれば力を得るということを、苦い経験から知っている。改革派は数で強硬派を圧倒する戦術に出て、何千人の候補者を出し、少なくとも何人かが生き残るようにし、投票の重要性を強調した。

 来年再選挙を迎えるロウハニは選挙結果に大喜びしている。「競争は終わった。国内の能力と国際的機会を基に、イランの経済発展の新しい章を開く。人民は選挙された政府に信頼性と力を与えた」と彼は述べた。

 首都以外の結果はテヘランのように一方的ではないだろう。しかし強硬派は議会支配力を失った。ロウハニは国を国際市場や投資家に結び付け、経済を改革し、イランの若者にとり自由でそれなりの生活水準を与える良い場所にいる。

 しかし今後、激しい政争になろう。革命防衛隊などは、ロウハニと核合意は政権変化への坂道であると恐れている。最高指導者が核合意を支持したことが問題であったが、革命防衛隊は自分のビジネス帝国を守ろうとするだろう。しかし彼らの統制は完全ではない。

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