世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年9月12日

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 8月6日付の英エコノミスト誌は、西側の潜在敵国は、音が静かで兵装を充実させた潜水艦を増強していて、西側の脅威となっていると警告しています。要旨は、次の通りです。

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潜水艦を強化した中露と予算を削った西側

 2006年、沖縄近海で中国の潜水艦が米空母の魚雷の射程内に浮上し、また、昨年、フロリダ沖の演習で仏原潜が米空母に撃沈可能な地点まで接近したが、いずれも米国の護衛艦や対潜機は事前に察知できなかった。これらが示すように、新世代の潜水艦は音が静かになっている。また、潜水艦を擁する国は約40カ国に増え、その多くは西側の同盟国ではない。

 さらに、新世代の潜水艦は、魚雷に加えて対艦誘導ミサイルも搭載するなど、武器も充実している。中国の潜水艦は、海上をほぼ音速で290キロ飛行可能なミサイルを、ロシアの潜水艦は最高速度マッハ3のミサイルを搭載している。ところが、西側諸国は冷戦終了後、対潜予算を削ってきた。米空母は2009年に対潜戦闘機が退役すると、代わりに短距離ヘリを搭載した。護衛艦の数も減った。

 西側の潜在的敵国は、西側の既存の防衛システムが探知・追尾できる以上の数の潜水艦を配備ないし発注しているのが現状だ。イランでさえ、小型潜水艦10数隻とロシア製キロ級潜水艦3隻を保有している。そのため、今や多くの軍艦が脅かされている。そこで、重点を追尾に置いた新たな対策が講じられつつある。広い海洋では探知より追尾の方が技術的にはるかに容易だからだ。

 ただ、現在これを担っている駆逐艦や原潜は莫大な建造費と維持費がかかる。そこで、西側諸国はより小型の無人船ドローンに肩代わりさせようと、研究開発を進めている。米国は、敵の潜水艦を海上から何ヶ月も追跡できる無人機を開発中で、コストは1機2000万ドルとされる。これなら多数配備でき、また、ディーゼル潜水艦よりも操作性、耐久性、速度に優れているので、海中の機雷捜索等にも使える。

 では、肝心の潜水艦の探知はどうするのか。音は距離の二乗に反比例して弱くなるため、探知機は標的の近くにある必要がある。これは、領海内なら、大量の固定探知機を縦横にめぐらすことで実現できる。実際、シンガポールは2、3キロ間隔で海底にブイを固定し、これらは振動で互いに通信できる。今は試験的にメッセージを発するだけだが、いずれ潜水艦探知センサーを搭載することになろう。一方、大型潜水艦を模倣した音を発して、ドローンを誤った方向に誘導する等、ドローンへの対抗手段も開発されつつある。

 このように、独Uボートの登場以来続いてきた水上艦対潜水艦の競争は、技術的進歩によって新たな局面を迎えている。現時点では、潜水艦に分があるが、この状況が長く続く保証はない。

出 典:Economist ‘Seek, but shall ye find?’ (August 6, 2016)
http://www.economist.com/news/science-and-technology/21703360-proliferation-quieter-submarines-pushing-navies-concoct-better-ways

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