世界の記述

2016年9月26日

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宮下洋一 (みやした・よういち)

ジャーナリスト

1976年、長野県生まれ。18歳で単身アメリカに渡り、ウエスト・バージニア大学外国語学部を卒業。その後、スペイン・バルセロナ大学大学院で国際論修士、同大学院コロンビア・ジャーナリズム・スクールで、ジャーナリズム修士。スペインの全国紙「エルペリオディコ」で記者経験後、南仏ペルピニョンとバルセロナを拠点にするフリー・ジャーナリストとして、欧州に止まらず、世界各地を取材し、月刊誌『世界』(岩波書店)、『文藝春秋』(文藝春秋)等で、報道記事やルポルタージュを発表している。共同通信・特約記者を兼務し、フランス語、スペイン語、英語、ポルトガル語、カタラン語を話す。著書に、『卵子探しています』(小学館)などがある。

 今年8月、イタリアで、子供に完全菜食を強いる親に対し、禁固刑の罰則を与えるという変わった法案が議会に提出された。肉や魚を食べない人を菜食主義者の「ベジタリアン」と呼ぶのに対し、肉や魚だけでなく、卵、バター、はちみつなど、動物搾取による製品も食さない人を完全菜食主義者の「ビーガン」と呼んでいる。

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 つまり、イタリアでは、子供に肉、魚、卵などを与えないビーガンの親は、法律で罰せられるべきという議論が持ち上がっているのだ。なぜ、このような法が提案されるに至ったのか。

ビーガンブームで栄養失調になる子供たち

 法案の中心的存在となったフォルツァ・イタリア党(FI)のエルビラ・サビーノ議員は、こう説明する。

 「ここ数年、イタリアでは、ビーガンが人間にとって、著しく健康に良いという考えが普及した結果、動物性の食物をすべて取り除いた食事を子供たちに強要する傾向が見られるのです」

 このブームが影響し、ここ最近では、乳幼児や2歳の子供たちが栄養失調で病院に運ばれ、時には、危篤状態に陥る事態などが発生。幼少時に必要なプロテイン、ビタミンD、B12、カルシウム、オメガ3、鉄分などがビーガンには足りないという問題が危惧されている。

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