世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年10月3日

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙が「インドは西側に目を向けている。モディは米との緊密な貿易、安保関係に賭けている」との社説を8月30日付で掲載し、米印関係の改善を歓迎しています。社説の要旨、次の通り。

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主要な防衛パートナー

 大きな政策上の変更は小さな一歩から始まる。インドの対米態度は数年の徐々たる改善の後、大きく変わり、十年前には考えられなかった合意ができるようになってきている。8月29日、インドのマノハール・パリカル国防相は米軍がインドの軍事基地を使うことを許可する兵站協定に署名した。両国は新技術・兵器開発の協力も拡大した。6月、オバマはインドを「主要な防衛パートナー」と格付けたが、カーター国防長官は、米国は「最も緊密、最も長期の同盟国とやっているようなやり方で」協力すると述べた。

 ケリー国務長官とプリツカー商務長官は8月29日、3日間の経済協議のためにインドに到着した。米国の対印投資はここ2年で5倍になり、二国間貿易は2005年の370億ドルから2015年の1090億ドルに増えた。インドは多数国間貿易交渉で妨害的であったが、最近、WTOの提案にも前向きになり、貿易円滑化協定を批准した。

 モディが9月のベネズエラでの非同盟運動首脳会議出席取りやめを決めたのも意義深い。モディはネルーが始めたグループを無視する第二の首相になった。これは変化の深さを示唆している。インドの多くのインテリはネルーの反射的反米主義を維持しているが、モディは米国の資本、技術を自分の開発プログラムに利用しようとしている。また中国の地域支配の試みに対抗しようとしている。

 モディ首相の前任者も対米協定を締結したので、全てモディの功績というわけではない。しかし、インドの姿勢はパキスタン、中国、ロシアの関係強化への反応でもある。ロシアの技術に頼ることは中国との軍備競争で遅れを取ることになる。モディ首相は国内での反対があるのに大胆な外交を展開している。米軍を短期でもインドに入れることは抗議を招く。経済を開放、外国企業との競争をすることへの国内の支持はほとんどない。

 モディは彼の再編成の利益があまりにも明らかで、批判者を黙らせ、二期目の政権につながることに賭けている。次期米大統領が協力し続けることにも賭けている。もし米国が、モディがインドの経済・安保問題を解決するのを助けるならば、米国はインドをリベラルな世界秩序を守るしっかりした同盟者にすることができるだろう。

出典:‘India Looks West’(Wall Street Journal, August 30, 2016)
http://www.wsj.com/articles/india-looks-west-1472599201

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