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2016年10月26日

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風樹茂 (かざき・しげる)

作家、国際コンサルタント

作家、国際コンサルタント(kazakishigeru@gmail.com)。1956年、北海道生まれ。東京外国語大学スペイン語学科卒業。メキシコ留学後、中南米の専門商社を経て、南米アマゾンの奥地でODAプロジェクトの鉄道建設にかかわる。その後は、シンクタンク、研究所勤務などで、首相向けの政策提言、ODA援助、海外投資、NGOプロジェクトに従事。イスラム開発銀行のコンサルタントも経験し、30数カ国を踏査。石油関連事業でカタール、ベネズエラに駐在。

ベネズエラでミス・ユニバースが多いわけ

 トランプにかつて「子豚ちゃん」、「家政婦」と揶揄されたことを暴露し、「女性蔑視トランプ → 女性票激落」の流れを作った、元ミス・ユニバースで女優のアリシア・マチャード(Alicia Machado )は、ベネズエラ女性の最大の夢を体現している。

アリシア・マチャード(GettyImages)

 すなわち、ミス・ベネズエラからミス・ユニバースとなり、女優としてアメリカのマイアミの豪邸に住む。それが無理ならば美貌を駆使して金持ちの男、たとえば大リーガーで活躍する野球選手を見つけて結婚する。

 私の周りにもミス・ユニバースを目指していた女性は多い。地区のミスコンを勝ち抜き、20代前半まではモデル業を行っていた、昨年東京でミス・インターナショナルに選ばれたエディマー・マルティネス(Edymar Martínez)と同じミス・ユニバース養成学校に通っていた高校生、等々。6歳から、モデルになるための歩行練習さえ行われている。

 けれども、ミス・ユニバースへの道は険しい。まずは24州の予選を勝ち抜かねばならない。もともと他の南米と比べて美人率は決して高いとはいえないのだから、勝つために肉体の弱点補強が普通に行われ、整形することも少なくないと言われる。

授業では真剣そのもの。元ミスユニバースの特別授業にて(筆者撮影)

 そして、国内ミスコンの1位はミス・ユニバースへ、2位はミス・ワールド、3位がミス・インターナショナル(10月25日、東京で主催)のベネズエラ代表となる。その後は、ミス・ベネズエラ協会会長で、キューバ生まれのオスメル・ソーサ(Osmel Sousa)の厳しい手ほどきを受ける。英語の習得、受け答えの練習、歩行方法や笑顔の作り方、顔や肉体の矯正などを経てミスたちは世界の本選へと羽ばたく。

この中からミスユニバースは生まれるのか?(同)

 真剣度が違う。だから人口2900万人の国が、ミス・ユニバース7人、ミス・ワールド6人、ミス・インターナショナル7人も輩出している。

 それだけではない。ミス・ベネズエラ協会を運営しているのは、キューバ系の大財閥シスネーロス(Cisneros)グループ。べネズエラではコカコーラの販売権、カラカスの野球チーム、バーガーキング、スーパーなどを所有。テレビ局のべネビション(Venevision)も持ち、美人コンクールは看板番組のひとつ。海外でも中南米中心にテレビ局を運営し、不動産業も手広く展開している。

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