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2017年3月8日

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吉原祥子 (よしはら・しょうこ)

東京財団研究員兼政策プロデューサー。東京外国語大学卒。タイ国立シーナカリンウィロート大学、米レズリー大学大学院などを経て現職。国土資源保全プロジェクトを担当。

 人口減少と高齢化が進む中、相続を契機に故郷の土地の所有者となり、戸惑う人が増えている。

 「田舎の土地を相続したが、自分たち夫婦には子供がいない。自分の代で手放したいが、買い手も寄付先も見つからず困っている」「いずれ実家の土地を相続する予定だが、東京に暮らす自分は父親が所有する山林には行ったことがなく、どこにあるのかもわからない」こうした声を周囲で耳にするようになった。司法書士などによる法律相談や不動産会社による相続対策セミナーが活況を呈し、相続対策を取り上げた書籍や雑誌も目立つ。

 そうした声と時を同じくして、近年、問題として認識されつつあるのが「所有者不明土地」である。所有者の居所や生死が直ちに判明しない、いわゆる「所有者不明」の土地が災害復旧や耕作放棄地の解消、空き家対策など地域の公益上の支障となる例が各地で報告されている。国土交通省の調査では私有地の約2割が所有者の所在の把握が難しい土地だと考えられるという。

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 個人の相続と、土地の所有者不明化。一見関係ないかに見える両者だが、実はその間には土地の権利と管理をどのように次世代に引き継いでいくのか、という大きな課題が横たわっている。

 本稿では、近年、マスコミでも取り上げられることの増えてきた土地の「所有者不明化」問題について、相続という多くの人々にとって切実な問題からひもといていく。そして、問題の背景にある制度の課題と、今後必要な対策について、3回に分けて考えてみたい。

なぜ、所有者不明になるのか

 所有者の特定に時間を要し、地域の土地利用や円滑な売買の支障となる「所有者不明土地」。

 土地とは、本来、個人の財産であると同時に、私たちの暮らしの土台であり、生産基盤であり、さらにいえば国の主権を行使すべき国土そのものだ。

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