2024年4月28日(日)

進化する「食」

2017年4月30日

スポーツ選手にとって間食は栄養補給

 スポーツの現場で選手と話をしていると、「小腹が空いた時は何を食べたらいいの?」という質問を受けることがあります。

 スポーツの世界では、間食やおやつのことを「補食」といいます。補食は単に好きなものを食べるのではなく、三度の食事ではとり切れないエネルギーや、たんぱく質、不足しがちなビタミン、ミネラルを補う大切な食事ととらえています。

 とはいえ、以前はチョコレートやアイスクリームなどのスイーツやポテトチップスのようなスナック菓子を、自分へのご褒美として食べている選手も少なくなかったのですが、最近では、積極的により体によいものをとろうという傾向が強くなり、果物やヨーグルトなどを好んで食べる選手が増えているように感じます。20年にわたりスポーツ選手の食事のアドバイスをしてきましたが、この点については大きな変化かもしれません。

アイスクリームよりアイスキャンディーを

 こうした嗜好品(酒も含む)の摂取量は、何かのガイドラインによって適正量が決められているわけではありませんが、一般的に一日の総摂取エネルギーの10%程度が適量だと考えられています。たとえば、18歳から49歳ぐらいの男性でデスクワーク中心の人に必要なエネルギー量は2300キロカロリー前後ですから、10%というと230キロカロリーくらいならお菓子類やお酒などの嗜好品に回してもよいことになります。同年齢の女性なら一日1700キロカロリー程度ですから、170キロカロリーくらいが嗜好品の許容範囲といえます。残りのエネルギー量を朝昼晩のバランスを考えてとれば、エネルギーを過剰に摂取することなく、嗜好品を楽しむことができるわけです。

 スナック菓子が好きな人のなかには、70グラム入りのポテトチップス1袋を一度にペロリと食べてしまう人もいますが、これだけで約400キロカロリー。2300キロカロリーを消費する一般のビジネスマンの場合、許容範囲を軽くオーバーしてしまうことになります。これでは食事の量をかなり制限しなければならなくなりますし、栄養も偏ってしまいます。

 もしどうしてもポテトチップスを食べたいのであれば、一度に食べる量を減らすよう、あらかじめ小皿に取り分けたり、小袋入りのものにしましょう。小袋入り(30グラム)のものにすれば、約170キロカロリーでおさまります。量は減っても、「食べた!」という満足感は得られるのではないでしょうか。

 もちろん、脂質の多いポテトチップスは控えて、油で揚げていないしょうゆのおせんべいに変えれば、同じ量(30グラム)でも約110キロカロリーですから、4割ほどエネルギーダウンできます。

 ビジネスマンの方に人気のおやつに、アイスクリームがあります。スポーツ選手のなかにも、アイスクリームが好きという選手は結構大勢います。彼らには、「濃厚なアイスクリームより、100円のアイスキャンディーにしてね」とアドバイスしています。みんな、喜んでアイスキャンディーをかじってくれます。アイスクリーム(120ml)は1個約270キロカロリーですが、アイスキャンディーなら1個70~90キロカロリー程度ですみます。

 このように、食べ方や選び方次第でエネルギーダウンになることを覚えておいてください。


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