名高い良書が成長の糧になるとは思っていても、はなから敬遠してしまったり、読み始めても難解さに挫折したり…そんな人も多いのでは?
今回は歴史的名書を図解入りでわかりやすく解説したものを中心に紹介しており、読みやすさ抜群。『変身』で知られるチェコの文豪、カフカ曰く“書物は、我々の内なる凍った海のための斧である”と。齋藤さんの著書という羅針盤を手に、いざ知の航海へと乗り出しましょう。
1. 図解 学問のすすめ カラリと晴れた生き方をしよう
齋藤孝
図解 学問のすすめ
カラリと晴れた生き方をしよう
学問で、「ビジネス」「政治へのスタンス」「親子問題」「人間関係のストレス」「自己評価」など、自分と「世界」との関係を、カラリと晴れたものに変えることができます。
書籍詳細を見る現代に響く多くの言葉から、
カラリと晴れた人生への手がかりを。
明治を代表する思想啓蒙家というだけでなく、教育者としての顔も持ち合わせていた福沢諭吉。“天は人の上に人を造らず”の言葉で知られる著書『学問のすすめ』はあまりにも有名です。しかし、その内容を知る人はあまり多くないと言えるでしょう。『学問のすすめ』が現代に響く言葉の宝庫であると考える著者が、図解を交えその内容をわかりやすく語ります。時代の変革期を勇ましく生き抜いた福沢諭吉、そうした人生から生まれた言葉を今に有効に活かす、そんな手引書と言えるでしょう。
2. 図解 論語 正直者がバカをみない生き方
齋藤孝
“論語に親しむ=心の骨格づくり”
そんなきっかけになる一冊。
2,500年もの間、世界中で読み継がれる『論語』。中国、春秋時代の思想家だった孔子とその一門の言行録です。論語を読む楽しみは、自分の経験が引き出される言葉と出会うところとする著者が自身の経験を交えながら語る内容は読みやすく、理解しやすいもの。いつしか自分の経験とも照らし合わせ、新たな気づきがもたらす言葉が見つかります。これまでの価値観が揺らぎ、不安が増大する今日において、多くの日本人が“筋の通った生き方”を論語に見出そうとしているのではないだろうかと語る著者。仕事編、人間関係編、学び編、生き方編…どこから読んでも面白くためになることうけあいです。
3. 図解 養生訓 「ほどほど」で長生きする
齋藤孝
健やかな体をつくる、心をつくる。
具体的で実践しやすい健康法。
『養生訓』は、江戸時代の儒学者にして医者でもあった貝原益軒が書いた書物です。当時の寿命は50年ほどでしたが、益軒は84歳まで生きたのです。健康で長生きするためのさまざまな健康指南が盛り込まれた『養生訓』を著者があらためて読み返したのは、歳を重ねて体調を崩し、若い頃のように無理がきかなくなったと感じていた時でした。そんな著者が時代を超えたアドバイスを現代に合った形でアレンジし、誰もがすぐ実践できるように記しています。
あらゆる世代に読んでほしい一冊です。
4. 図解 菜根譚 バランスよければ憂いなし
齋藤孝
揺らぐことない精神を築く、
珠玉の言葉との出会い。
1368年から1644年まで存在した、中国の明(みん)代の末期に生きた洪自誠(こうじせい)が著した『菜根譚』は「人がいかに生きていくべきか」についての指南書です。著者が「座右の銘」を探すのに、これほどぴたりとはまる本はないと推す本でもあります。今は心が重視される時代で、心というのは非常に不安定で、日々揺らぎながら移り変わるとする著者。そうした中で、揺らぐことのない精神を支えていく言葉をみつけてほしい…本書にはそうした気持ちが込められています。東洋の思想は二項対立での表現が多いため、図解をすると理解が進みやすいとする著者の考えも目から鱗です。
5. 図解 孫子の兵法 丸くおさめる戦略思考
齋藤孝
古来からリーダーたちの必読書!
日々の仕事に活かせる戦略的思考。
ナポレオンやビル・ゲイツ等、名代のリーダーたちが参考にしてきた『孫子』。約2,500年前に中国の軍事思想家、孫武が記したとされる世界最古の兵法です。戦争が身近でない現代においては、商談、クレーム、交渉、会議といった仕事が戦いのようなものであるとする著者。毎日の仕事に『孫子』のエッセンスを取り入れ、戦略的思考を身につけてほしい、そしてこの世界を生き抜くメンタルタフネスを体得してほしいという思いが込められた本書は、まさに社会人必読の一冊。
6. 「何から読めばいいか」がわかる全方位型読書案内
齋藤孝
教養を学ぶことは大きな喜び。
あらゆる分野の良書を紹介。
読書により教養を身につけることで、自分が生きているこの世界がこれほど豊かだったのかと感じられる幸せがある…著者のこの言葉だけでも、紹介される本への興味、ワクワク感が刺激されると言ってもいいでしょう。歴史、思想、文化、経済、経営、生物学、化学等、分野は多岐に渡り、数多の本が紹介されていますが、各扉の部分に読むうえでのポイントがシンプルにまとめてあるのも魅力。さらにある意味衝撃的(!)なのが、必ずしも全部のページを読まなくてもいい、2割くらい読んでおよそのことがわかればそれでいい、と書いてあるのです。この言葉で気負わず良書に近づきたい人たちもきっと増えるでしょう。
7. 図解 葉隠 勤め人としての心意気
齋藤孝
5%の武士道精神から生まれる、
人間としての強さ。
「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」の一文で知られる『葉隠』。三島由紀夫が心酔し、入門書を著したことでも有名です。著者は『葉隠』に着目したのは、「勤め人としての心意気」を親切丁寧にアドバイスしている点だと語ります。酒席でのふるまい、人との付き合い方、手紙の書き方、仕事の仕方といった内容を、図解とともに解説。現代人である私たちが武士道精神を体現することは難しい。けれども精神文化の粋である『葉隠』の真意に触れることで、仕事に向かい、日々を過ごす気の持ちようはきっと変化する…そんな確信が持てる本です。
8. 社会人に必要な9つの力
齋藤孝
著者の情熱がほとばしる
大人気講義の書籍化!
明治大学の教授である著者の超アグレッシブ人気講義「教育基礎論」を書籍化。過去からさんざん伝えられてきた社会人の心得、「ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)」ではなく、これからは「テン・シュ・カク(テンション・修正・確認)」といった内容等、これからの社会人として身に付けておくべき生きる力を語り尽くした9講義がまとめられています。博識かつユーモアにあふれ、なおかつ教育者として熱いハートを持つ著者の世界が広がります。
10. 図解 言志四録 学べば吉
齋藤孝
時代の雄たちの心を動かした書から、
選りすぐりの言葉を紹介、解説。
西郷隆盛や吉田松陰、坂本龍馬といった歴史の雄を心酔させてきた『言志四録』は、儒学者の佐藤一斎が40年あまりに渡って書いた語録で、指導者のバイブルと言われています。本書では著者が心に響いた言葉を選り抜き図解。
仕事力、リーダー力、学習力、人間関係力、人生力とバランスよく章分けされています。仕事を辞めたら学びは終わり、ではなく、死ぬまで前を向いて学び続けていくようにと考える著者が、時代を超えた名著をわかりやすく、内容がスッと心に入りやすいよう書かれています。
今回は、読みやすさ読み応えともに満点の齋藤孝さんの本を紹介しました。知的手引書でありながら、人柄を感じさせる文章で難解な名書にも親しみが生まれます。ぜひ、手に取って読んでみてください!