<好評5刷>(2024年2月)
『菜根譚』は、中国の明の末に生きた洪(こう)自誠(じせい)(生没年不詳)が「人がいかに生きていくべきか」を記した指南書で、江戸末期に日本に伝わりました。“人生の格言がこんなところに詰まっていたのか!”と驚くべき内容で、「座右の銘」を探すのにこれほど適した本はありません。そのため、東急グループの創業者・五島慶太氏、元首相・田中角栄氏、小説家・吉川英治氏、野球評論家・野村克也氏など、経営者や政治家にファンがとても多いのです。
本書は、一昨年より出版している図解シリーズ第3弾です。図解にすることで、理解が進み、難しい言葉でもなじみやすくなります。今回も齋藤先生の思いや体験をつなげていただきましたが、ぜひ自分の状況につなげて読んでみてください。そうすることで、『菜根譚』の言葉が心の格言になっていき、生きていく上での支えになると思います。
<目次>
第一章 日々すこやかに過ごす基本
それぞれの場所のルールで生きる
以て事に応じ物に接せば、身心何等の自在ぞ。(後集62)
公平さを保つ
己の心をくらまさず。人の情を尽さず、物の力をつくさず。(前集183)
考え抜いて行動すれば後悔と不安は消える
一苦一楽。一疑一信。(前集75) など
第二章 気持ちが楽になる心の持ち方
まずは思い込みを捨てる
魔を降すには、先ず自らの心を降せ。(前集38)
ネガティブな感情は少なく
福は事少きより福なるはなく、禍は心多きより禍なるはなし。(前集50)
心を“虚”にして“実”を満たす
心は虚ならざるべからず。心は実ならざるべからず。(前集76) など
第三章 幸せになる生き方
志を推進力に
人定まらば天に勝ち、志一ならば気を動かす。(前集42)
人の心をつかむのは“人徳”
徳は才の主にして、才は徳の奴なり。(前集140)
不全感を次につなげる
五分ならば便ちわざわい無し。五分ならば便ち悔ゆること無し。(前集105) など
第四章 生きやすくなるものの見方
習慣が体の一部になると気質に変わる
大巧は巧術無し。(前集63)
「冷眼熱心」を持つ
熱閙の中に、一の冷眼を着くる。冷落の処に、一の熱心を存す。(後集58)
トラブルや思い残しは絶好のチャンス
人を看るには、只後の半截を看よ。(前集93) など
第五章 自分も相手も心地いい関係の作り方
理解力があると度量が広がる
徳は量に随いて進み、量は識に由りて長ず。(前集145)
叱るときは「イエス、ノー、イエス」
人の悪を攻むるときは、太だは厳なること母く。
人を責めない
人の小過を責めず、人の陰私を発かず、人の旧悪を念わず。(前集106) など