1.中学受験!合格する子のお父さん、受からない子のお父さん
西村則康、高野健一
中学受験指導のプロが、
正しい父親の役割を徹底指南。
不確実な世の中だからこそ、子どもにはしっかりした教育環境を…そう考える家庭も増加し、中学受験はますます熾烈化しています。本書は中学受験指導歴40年以上の「プロの家庭教師集団」が見てきた「NG父さん」の実例をあげながら、中学受験というビッグプロジェクトを成功へ導く指南書です。中学受験に関して傍観者のようにふるまう、あるいは熱意が空回りしているお父さんが多いと語る著者。自らも父親であり、同じ仲間としてお父さんを応援したいと願う著者が、迷走するお父さんを力強く導いてくれます。漫画やコラム、図表もふんだんで理解しやすい作りなのも特長です。
2.「目的思考」で学びが変わる 千代田区立麹町中学校長・工藤勇一の挑戦
多田慎介
子どもたちの自立を促す、
既成概念にとらわれない教育。
定期テストや宿題を廃止、また固定担任制をやめて全員が担任になる「全員担任制」を導入したこと等で、マスコミでも大きく話題となった千代田区立麹町中学校。既成概念を打ち破り、ビジネス的な手法をも大胆に導入して、公立中学校でありながら画期的な教育を行っています。その中学校で校長を6年に渡って勤めてきたのが、内閣官房教育再生実行会議委員や経済産業省「EdTech」委員などの公職も務める工藤勇一さん。本書は、工藤さんへのインタビューと丹念な周辺取材により、子どもたちはどう変わったか、また目指すものは何かを解き明かしています。
3.親も子もハッピーになる最強の子育て
小川大介
子どもの潜在能力を引き出し、
自信や思考力等を養うメソッド。
共働き家庭が増えた昨今、最大の悩みは「とにかく時間がない!」ことではないでしょうか。しかし、実は仕事をする人こそ、子育て上手とも言えるのです。普段の仕事における段取りやコミュニケーション、問題解決能力等は、すべて子育てに必要なものばかり。そして、主婦のタスク管理能力やダブルタスク管理能力も注目すべきもの。そうしたノウハウを協力して子育てに注ぎ、今よりラクな子育てをしつつも、自立心ある子どもに育てることができると著者は語ります。親も子もハッピーになれるコツが満載の一冊です。
4.世界一子どもを育てやすい国にしよう
出口治明、駒崎弘樹
少子化問題の真の解決を求めて。
歴史や背景を知って、変革の意識を。
少子化問題が、解決の兆しを見せることなく深刻化している今日。しかし政府の意識としてはいまだに「将来の労働力が足りない、だから女性に産んでもらわなければ」という域にとどまっているように見受けられると著者は危惧しています。少子化問題は、どんな人にとっても他人事ではないとする著者が、少子化の問題点を具体的に知って、一緒に考えていきましょうと投げかけます。今はツィッターやブログ等で世の中を動かすことも可能な時代です。決して女性だけの問題ではなく、男性も声をあげましょうと語る著者。そうして変えていく社会は、子どもたちにとって快適な未来となるでしょう。
5.子どもが幸せになる学校
菅聖子
サイエンスを使いこなす、
合理的な思考を育てる学校。
2009年春に日本で初めて誕生した「理数科専門」の公立高校、それが横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校です。同校は「知識と知恵の二人三脚」をモットーに、実験を徹底的に行うこと、英語でプレゼンテーションすることを重視。大学や企業、研究機関からのサポートを得ながら、生徒自身が「自分の人生」を切り拓くことに全力で取り組んでいます。想定以上に生徒やその両親からの意欲が感じられ、また進路状況等良好な結果が得られたため、2017年には付属中学校も開校されました。この高校の挑戦秘話が満載の一冊です。
6.ほんものの思考力を育てる教室 YSFHのサイエンスリテラシー
菅聖子
知る楽しさ、考える喜びがあふれる、
活躍中の専門家たちからの授業。
先進的な科学の知識や技術が学べることで知られる、横浜サイエンスフロンティア高等学校。ここに通う子どもたちの知的好奇心を刺激するのが課題探求型の授業「サイエンスリテラシー」です。これは理科学分野において活躍中の大学の先生方、企業の研究者の方々に講義や実験の指導をしてもらうというもの。本書では同校が培ってきた、知る楽しさ、考える喜びに満ちた授業内容を公開しています。そこにあるのは、大人が読んでもワクワクするような、知的興味あふれる世界です。
子どもは未来の宝…昔から言われている言葉ですが、いつの時代も子育ては悩ましいもの。今回の特集で取り上げた本が、よりよい子育てのヒントや、子どもたちを取り巻く環境について考えるきっかけとなることを願っています。