2024年4月25日(木)

こんな子 こんな時 こんな絵本

2010年8月26日

『ともだち絵本 けんか』(童話屋) シャーロット・ゾロトウ 著 ベン・シェクター イラスト みらいなな 翻訳

 「仲がよいほど、けんかする」は、人と人が関わるからこその言葉だと思います。変わることのない、よい関係だと思っていても、これまた些細な事でけんかしたり、疎遠になってしまったりすることもあります。そんなとき、一方的な思い込みで片付けるのではなく「勇気を出して、本人に聞いてごらんなさい」とアドバイスするお母さんが『ともだち絵本 けんか』(童話屋)に登場します。過保護や過干渉ではなく、冷静な判断で子どもをサポートする、大人が手本にしたい姿です。つまらないことでせっかくのともだちを失うことのないように……という思いは、子どもよりも長く、豊富にともだち経験のある大人だからこその願いかもしれません。

 人と人との関係を表す言葉はたくさんありますが、その中でも特に温もりと元気をもらえる関係、それが“ともだち”だと、改めて感じました。たくさんいるからよいわけでも、少ないからだめなわけでもありません。作ろうと思って出来るものでもありません。でも、心を閉ざしていては、チャンスはつかめません。ともだちといるとうれしいという思いや、ともだちが増えると世界が広がっていくように感じられることは、子どもたちに実感して欲しい大切なことの一つです。そして、“ともだち”を“本”と置き換えてもよいと思いませんか。そうです、「本はともだち」なのですから。
 

おなじみの本もたくさん。夏休み最後に、子どもと一緒に読んでみてはいかがでしょうか。
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