チャイナ・ウォッチャーの視点

2018年5月10日

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高田勝巳 (たかだ・かつみ)

株式会社アクアビジネスコンサルティング代表

株式会社アクアビジネスコンサルティング 代表取締役。拓殖大学で中国語を専攻し、1984年より1986年まで中国の遼寧大学、北京大学での留学を経て、1987年に当時の三菱銀行に入行。1993年より同行上海支店開設のために上海に赴任。1998年に同行を退職後、上海で独立し、それ以来上海を拠点としたコンサルタントとして活躍。2002年より現職。この間、多くの日中間のビジネスにコンサルタントとして関与、最近は日系企業の顧客以外にも中国企業の対日投資並びに技術導入も支援している。中国の第一財経テレビ、香港のフェニックステレビの時事討論番組のコメンテーターとしても活躍している。

 ブラックジョークの短編がいつも意見交換する中国のエコノミストから送られてきた。南北両首脳が手を繋いで歩いて行くと韓国の文大統領の地面が抜けて悲鳴ともに奈落の底に落ち、北の金正恩は涼しい顔で戻ってくるとか言う、フェイク動画である。どうも、ここから、今回の南北の和解を冷ややかに見ている中国人の本音を垣間見ることができるようで、興味深かった。そこで、そのエコノミストに聞いた。

高田:
要するに韓国の文大統領も、金正恩にはめられるから気をつけろということを言いたいのだな?
金は、最初に中国を訪問し、中国は面子が立って良かったのではないのか?
日本は、全く相手にされず、韓国の大統領に仲介してもらっている有様だが?

エコノミスト:
中国は、全体としてみれば、面子が立つどころか、大いにルーズフェイスだ。
中国は、北朝鮮に影響力を及ぼせる国として、面子が立ってきたわけだから、それが実は違ったということが、国際社会で表面化し、金に「中抜き」されて、勝手にアメリカと商売を始められたと巷では言われているよ。もともと自分が総代理店と思っていたのに。
金が習近平と会った時の顔の表情を見たらわかるであろう。すごく、緊張していただろう。あれは、信頼関係がない証拠だよ。
これまで散々面子をズタズタにしてきて、よく合わす顔があったものだと思うよ。

(tostphoto/iStock)

高田:
じゃー、習近平はある意味大人の対応だね。

エコノミスト:
無可奈何(如何ともしがたい)という気持ちであろう。
日本ではどう言われているの?
日本は全く当事者として相手にされていないとうのは確かだと思うけど。
北が、米国、中国、ロシア、韓国には仁義を切っているよね。日本にはないけど。

高田:
何が何だかわからなくなってきてるのではないかな?
そもそも、何でもトランプ頼りというのは、それは無理でしょう。自分のカードが見えないよね。
トランプが和解したら、資金は日本から出すように要求されるという人もいるし。
(まさに、前回のコラム『中国が米国に感謝するが、日本には感謝しない理由』で述べたモンゴルの話を同じで。)
資金だけ取られて、拉致問題でもうやむやにされたらもう最悪だね。
安倍政権は何をやっていたのだという話になると思うよ。

エコノミスト:
資金を出すことになったら、そこでしっかりビジネスチャンスをつかめばいいではないか?
これまで閉鎖された国がオープンすれば、きっと大きなビジネスチャンスがあるはず。
以外と日本は漁夫の利を得るかもしれないよ。

高田:
日本人の僕は、日本を悲観し、中国を楽観し、逆に中国人のあなたは、中国を悲観し、日本を楽観するいつものパターンだね。
ところで、米中貿易摩擦はどうなる? 僕は、これまで1年間掛けて準備した中国から米国に輸出するビジネスが頓挫して大いに困っている。
先週、米国のパートナーと話したら、彼らは、今後の両国の話し合いで、関税も25%とは限らず、5%とかで妥協する可能性もあると言っていたけどね。後、2〜3カ月様子を見ようということになっている。

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