WEDGE REPORT

2018年7月9日

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「声のブログ」として注目を集めている音声配信サービス「Voicy」の代表、緒方憲太郎氏にビジネスの現状と今後の戦略を伺った。

Voicy代表・緒方憲太郎氏

 「Voicy」というサービスをご存知だろうか。個人でチャンネルをつくり、自由にしゃべって録音したものをネット上で放送することができるサービスである。YouTubeの音声バージョンと思っていただければ想像しやすいだろう。半年くらい前からSNS上で影響力を持つインフルエンサーが続々とチャンネルを開設し、サービスの認知度は日増しに高まっている。

 「毎週100件ほどチャンネルの開設申請が届いていますが、審査を通るのはそのうち1、2件です」(Voicy代表・緒方憲太郎氏)

 緒方代表は、もともと監査法人に勤める公認会計士だった。その後、コンサルティング会社でIoT分野やヘルスケアを中心としたベンチャー企業のアドバイザーを経て、2016年に起業。音声配信サービス「Voicy」(https://voicy.jp/)を立ち上げた。

1日の平均リスニング時間は「40分」

 「チャンネル数は企業のものも含めると250ほどあります。リスナー数は月間で35万人。コアな年齢層は20代後半から40代前半で、1人あたりの1日平均リスニング時間は約40分です」

 30代前後といえば、一般的には仕事に子育てにとなにかと忙しい世代であろう。そんな彼らが1日40分もの時間を費やしているのはちょっと驚きの数字と言える。ちなみに人気のニュースアプリ「SmartNews」が公表している1日あたりの平均利用時間は13分である。それに比べてVoicyの利用時間が長い理由を、緒方代表は次のように分析する。

 「活字を読むのは能動的な行為ですが、音声を聴くのは受動的な行為です。能動的な可処分時間は生活の中に細切れに存在していますが、受動的な可処分時間は眠っている以外のすべての時間です。音声はそれくらい生活に密着しやすいメディアと言えます」

 さらに、音声メディアの持つ可能性をこう分析する。

 「高齢者で目が疲れやすくなっても音を聴くのは大丈夫だったり、字が読めない子どもでも耳から聞くと意味を理解できたりすることがあります。つまり、音声は活字に比べて年齢層のターゲットを大きく広げることができるんです。さらに、音声は走りながらでも聴けますし、病気で寝込んでいる時でも耳で聴くのはそれほど大きな負担になりません。一瞬の訴求力という点ではたしかに目から得る情報に及びませんが、シチュエーションを選ばないという意味では、耳のほうが圧倒的にカバーできる範囲が広いんです」

 実際、子育てで手が離せないときでも、「Voicyなら聞ける」という声をもらうことも多いと言う。筆者のまわりでも、これまで小児科医のぱぱしょーさん(@tangeganbaru222)のツイッターで子どもの病気に関する情報を得てきたが、「Voicyでの放送が始まったのでありがたい」という声も聞かれた。

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