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2018年7月25日

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樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

産經新聞元論説委員長

産經新聞元論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員などを経て、2015年6月から産経新聞社監査役。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

 マタ・ハリ、ジョセフィン・ベーカーなどと聞くと、「女スパイ」、「女諜報員」を連想するかもしれない。そういう伝説のスターはともかく、今の時代においても、その分野での女性の跳梁、活躍はなお盛んなようだ。女性の大統領や首相らが国際政治の表の主役とすれば、才色兼備の〝陰のヒロイン〟たちは、もっぱら裏の舞台で暗闘を繰り広げる。映画や小説ではない。われわれが知りうる現実の世界での話である。

(OSTILL/Gettyimages)

 米ロ首脳会談を大きく報じた7月18日の朝刊各紙、国際面の片隅に追いやられていたベタ記事に興味をそそられた。

 「露女性工作員逮捕」という短い記事によると、ワシントンに住む29歳のマリア・ブティナ容疑者=ロシア国籍=は2015年から17年にかけて、共和党系の政治家ら政財界の要人に接触、米政府の対ロシア政策改善などを働きかけていた。

 ロシアが2016年の米大統領選に干渉したという「ロシア・ゲート」事件との関連は定かではないが、同容疑者は15年6月、米の保守系政治誌に「米ロ関係の改善には共和党候補が当選する必要がある」と寄稿していた(産経新聞、7月18日付)。

 疑惑を捜査しているミュラー特別検察官が事情聴取を予定、逮捕のタイミングも、疑惑が議題にのぼったヘルシンキでの米ロ首脳会談の数時間後だった。ミュラー検察官の捜査次第では、トランプ政権の屋台骨を揺るがしている事件で、彼女がどんな役割を果たしていたのか、つまびらかにされる可能性がある。

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