前向きに読み解く経済の裏側

2018年8月6日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。主に調査関連部署に勤務した後、2005年に銀行を退行して久留米大学へ。著書に『増補改訂 よくわかる日本経済入門』(朝日新書)、『老後破産しないためのお金の教科書』(東洋経済新報社)、『世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書』(宝島社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)など多数。

 今回は『老後破産しないためのお金の教科書』の著者である塚崎が、学生と新入社員に少額の投資信託を買うべき理由について解説します。

(Ljupco/Gettyimages)

若者も、少額で良いから株式投信を買うべし

 株や外貨は値下がりして損をすることがあるかもしれませんが、現金(本稿では銀行預金を含めて現金と呼びます)は、よほどのことがない限り、損をする心配がありません。そこで、投資を嫌って資産の全額を現金で持っている人が大勢います。

 しかし、インフレになれば、現金は目減りしますから、現金もリスク資産なのです。そこで、株や外貨といったインフレに強い資産と現金とをバランス良く持つ「分散投資」が必要なのです。

 特に、若い人は医学の進歩等もあり、100歳まで生きる可能性が高いと言われています。そうなると、生きている間にインフレで現金が目減りする可能性は決して小さくないでしょう。

 したがって、若手には是非投資をしてもらいたいと思います。そうは言っても、やはり株や外貨は怖いと思う若者は多いでしょうし、そもそも投資をする余裕が無い若者も多いでしょう。

 そこで筆者が若者に勧めているのが、「1万円で良いから、日経平均連動の投資信託を買いなさい。それから、1万円で米国株の投資信託(為替リスクヘッジなし)を買いなさい」ということです。 

 合計2万円であれば、「金がない」という言い訳は出来ないでしょう。また、最大限損をしても2万円ですから、筆者が恨まれても限度があります(笑)。一方で、この2万円が与えてくれるメリットは大きなものとなり得るのです。

経済ニュースを読むようになる

 多くの若者が実感するのは、投資をした翌日から、経済ニュースが気になるようになる、という事でしょう。不思議なもので、たった2万円の投資信託が1%値上がりしたり値下がりしたりするだけで、一喜一憂する若者が多いはずです。なぜそう思うかといえば、筆者自身がそうだったからです。

 それによって、毎日経済ニュースを読むようになるかも知れません。最初は株価欄だけを見たとしても、経済ニュースのトップニュースくらいは嫌でも目に入るでしょう。経済ニュースを1分見るのと見ないのとでは、何年も何十年も経つ間に非常に大きな差になると思います。もちろん、記事にも興味を持って読むようになれば、素晴らしいことですが。

 筆者自身は、米国留学中に、教科書しか読まず、米国の景気が良いのか悪いのか一切知らない自分を情けなく思い、5万円だけ株を買ってみた経験があります。そうしたら、驚いたことに翌日から米国の経済が気になって、毎日英語の経済新聞を読むようになったのです。おかげで、英語が上達し、米国経済の状況も多少はわかるようになりました。新聞代が5万円ほどかかりましたが、自分への投資だと思えば安いものです(笑)。

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