オモロイ社長、オモロイ会社

2018年9月25日

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杉浦佳浩 (すぎうら・よしひろ)

代表世話人株式会社代表

三洋証券株式会社入社(昭和62年)。鹿児島支店にて勤務。地元中小企業、個人富裕層の開拓を実施。 日経平均最高値の2カ月前に退職。次に日本一給与が高いと噂の某電機メーカーに転職。埼玉県浦和にて、大手自動車メーカー、菓子メーカー、 部品メーカー等の主力工場を担当。 退職時は、職場全員から胴上げ。そして、某保険会社に20数年勤務後、平成26年末に退社。在社中は、営業職、マネジメント職を経験して、リテール営業推進、若手人財育成を中心に担当していた。 社外の活動も活発に行っていた。平成27年1月1日、代表世話人株式会社を設立。
同社代表取締役に就任。世話人業をスタート。

 労働人口減少に伴う2030年問題、600万人の雇用不足をどう補うか? 外国人、シニア、主婦層等々の増加施策を政府も外形的に打ち出しているが、もっと根本的な改善、生産性の向上、労働環境の改善、上司部下の関係向上、さらに働く人々がイキイキできる環境を作ることができれば、2030年の問題も解決できるのでは? と昨年想いを持って起業したZENKIGENの野澤比日樹さんに話を聞きました。

ZENKIGEN野澤さん

 アルファベットでZENKIGEN。社名に込めた「ZENKIGENは、本来、“全機現”と書き、人が持つ能力の全てを発揮することを示す禅の言葉です。多くの大人が全機現する社会は幸せな社会であり、次世代にそんな社会を引き渡したい、それが我々の意志です」と、語る野澤さんの言葉には、次の世代を意識した40歳を過ぎてのオトナベンチャーの想いを感じます。

 野澤さんは、1998年インテリジェンスに入社(現パーソルホールディングス)、1年上にいた先輩、藤田 晋氏に誘われて翌年に10人未満だったサイバーエージェントに入社。大阪支社の立ち上げ、社長室、事業責任者としてマザーズ上場を経験、同社の急成長に貢献しました。

 任された事業部門を5年で売上30億円超、営業利益5億円超と成長させたそうです。その後2011年にソフトバンクアカデミアに外部1期生として参加する中で孫正義会長から声がかかりソフトバンクグループの社長室に入社し、電力事業である、SB Power株式会社の設立、事業立ち上げに営業責任者として従事しました。電力完全自由化に移行後は、個人向けの日本初の森林寄付型の『自然でんき』を発案から販売までの責任者として活躍、実績を残し事業として一区切り感のあった昨年に起業を決意し、同社を設立。輝かしい経歴と実績ですね。

 起業前に転職も一瞬考えたそうですが、「孫正義さんと同レベルの経営者として思い浮かんだのは2人、日本電産の永守重信さんとユニクロの柳井正さんでしたが、働き方のイメージが出来てしまったため、自分の力で社会にインパクトをと思い起業の道を選択しました」と話します。

起業時に事業を組み立てていく上でのフォーカスポイント

 まず、サイバーエージェントの藤田社長がいつも仰っていたことですが、伸びている業界を選べ、という教えがあり、人手不足という構造的な問題を抱えるHR領域にテクノロジーを使って課題を解決するサービスはニーズがあると考えたそうです。 また、サイバーエージェント時代に実際に3000人を超える面接を経験し、採用活動に違和感がありました。現在当たり前化している、

「エントリー」→「書類選考」→「採用セミナー」→「1次面接〜複数回の面接」→「最終面接」→「内定」

 この流れ自体に無駄を多く感じ、変革を興したいと感じていたそうです。

 

 そこで、採用活動から人材育成までを一貫してサポートするサービスで社会に意味ある起業をと決意したそうです。 世の中の多くの企業でも、応募者が集まらない、エントリー書類の読み込み、地方での面接場所の設営、面接日程の調整、面接に応募者が参加しない、内定後の辞退、膨れあがる求人広告費と出張費、など、新卒採用だけでも多種多様な対策と準備が必要であり、運用の複雑化による人事部の疲弊感、そこにインターンへのアプローチ、中途採用と、人事部は採用ばかりに人出と手間を取られ、本来重要なはずの入社後の人材育成に手が回らず、将来嘱望された人材が離脱していくという現状があります。

 

 地方から時間と費用をかけて移動してきた応募者はなおさらです。一方、新卒世代のスマホ慣れ、SNS発信慣れ、セルフィーでの撮影慣れに注目し、「自撮り面接」「録画動画面接」という発想に行き着きました。起業半年前からシステム開発に着手、昨年10月の起業と同時にベータ版での販売を開始、そのスピードにも全機現を感じます。 自身が応募者を面接する際に感じていた問題には、「時間の無駄が多い」ということもあったそうです。数千人規模で面接していると、数分会話をするだけで、自社のカルチャーにフィットするか? ビジョンにマッチするか? は判断ができるようになる。しかし、大抵横並びで面接し、全員と40分〜50分「お互いに無駄な時間を」を費やしている。

 

発売1年未満で採用への変革が確実に
リクルートスーツ姿ではなく自分の個性が発揮できる自由な面接の風景

 実際に、この面接システムを導入した大手企業の面接録画を拝見すると、キックボクシングでハイキックをキメている体育大学生や、自宅で好きなギターの弾き語りをしながら自己紹介し、最後のシーンでは愛犬を抱っこしている、そんな今時の自由な雰囲気でした。創りごとのない「素」の姿がそこにあり、面接では引き出せない本人の人となりを感じました。

 また、自撮り録画で面接を進められる特性から、地方在住の大学生も交通費や移動時間などのコストを気にすること無く採用活動が行えるので、より多くの学生に就職先のチャンスがあたえられ、企業と大学生との接点が増えるという利点もあります。実際に、ある会社では地方の優秀な学生採用にもすでに効果が出ているそうです。

圧倒的なコスト(お金と時間)ダウンを実現

 この面接システムを活用している全国展開の美容系企業では、年間1000人の中途採用を実施し、実にそのうち90%以上をこの面接システムだけで選考し、採用しています。録画動画面接により面接実施率が大幅に改善したことで、これまでかけていた求人広告費が激減し、年間1億円近いコスト削減に繋がったとのことです。このコスト削減だけでも大きく、採用のみに軸足があった人事の仕事が育成面談に向き始めたそうです。しかも録画動画面接により、合否リードタイムが短くなり「良い人財」が採用できるようになったそうです。

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