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2018年10月10日

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出井康博 (いでい・やすひろ)

ジャーナリスト

1965年、岡山県に生まれる。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒業。英字紙「ニッケイ・ウイークリー」記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)客員研究員を経て、フリー。著書には、『ルポ ニッポン絶望工場』(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『黒人に最も愛され、FBIに最も恐れられた日本人』(講談社+α文庫)などがある。

(Massimiliano Sermisoni/Gettyimages)

 法務省によれば、在留外国人の数は2018年6月末時点で263万7251人に達し、過去最高を記録した。17年末からの半年間では約3パーセントの増加で、15年から過去最高を更新し続けている。

増加が際立つベトナム

 国籍別で増加が際立つのがベトナム人だ。今年6月までの半年で約11パーセント増え、29万1494人を数えるまでになった。約71万人でトップの中国人、約45万人の韓国人に次ぐ多さである。中国人は12年以降で9万人弱しか増えておらず、韓国人は3万人以上が減っている。一方、ベトナムの場合は12年から5倍近くも急増した。このまま行けば、数年内に韓国人の数を追い抜く可能性が高い。

 ベトナム人の在留資格は「技能実習」が13万4139人、「留学」が8万683人と、2つの資格を合わせると在日ベトナム人全体の74パーセントに上る。12年以降で見ても、技能実習は約8倍、留学は9倍以上も伸びている。つまり、実習生と留学生の増加に伴い、在日ベトナム人も増えているわけだ。

 実習生とは、「外国人技能実習制度」(実習制度)で入国し、日本で働く外国人を指す。その数は18年6月末時点で約29万人に上る。

 実習制度の趣旨は、途上国の若者が日本で技能を身につけ、母国に戻って活かすというものだ。しかし、「技能移転」や「人材育成」は全くの建前に過ぎない。実際には、日本人の働き手が集まらず、人手不足が深刻化した職種に外国人労働者を供給するための手段となっている。その証拠に、実習生の受け入れが認められた約80の職種は、大した技能など必要ない仕事ばかりだ。

 人手不足は、低賃金・重労働の「単純労働」で著しい。だが、政府は単純労働を目的に外国人が入国することを認めていない。そこで実習制度が「抜け道」になっている。

 一方、留学生も実習生と同様、「人手不足」を背景に増えている。留学生の数は12年末から14万人以上も増え、32万人を超えるまでになった。そのなかには「勉強」よりも「出稼ぎ」を目的とした外国人が相当含まれる。

 留学生には、法律で「週28時間以内」でのアルバイトが認められる。そこに目をつけ、留学を装い、出稼ぎ目的で来日するわけだ。

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