クックパッドというサイトをご存知だろうか。ユーザーが料理レシピを投稿する形式のサイトで、20~30代の女性を中心に月間1200万人(2011年7月現在)が利用する。運営するクックパッド株式会社は、2011年4月期の発表では売上高32億6,300万円、営業利益16億2,600万円、売上高対営業利益率が約50%、6期連続の増収増益を確保する右肩上がりの企業だ。そんな人気企業の社員食堂に潜入する。
キッチンのあるオフィス
東京・白金台の駅から徒歩約5分。スタイリッシュな概観のビルの5~7階に、クックパッド社がある。
受付を済ませて中に入ると、まず目に飛び込んでくるのが広々としたキッチンスペース。
「クックパッドの社食はここなんです」。
広報室の櫻井友希代さんが教えてくれた。「一般的な食堂スタイルとは異なり、『まかない制度』をとっています。社員が自分たちで好きな料理を作って食べているんです」。
取材に訪れた日も、12時を過ぎると数名の社員が集まって料理を始めた。あるグループは夏野菜カレーと野菜のピクルスを作り、別のグループはトマトが色鮮やかな冷製パスタを作っている。「私は、週に2回ほどキッチンに立ちます」と言うのはカレーグループの広報室・黒木明子さん。手際良くカレーの具材を切り、炒めていく。
あっという間に出来上がり、食事タイム。他のメンバーから「おいしいね」という声が聞こえる。「もうキッチンのないオフィスなんて考えられません。料理をするとストレス解消になりますし、頭の切り替えもできるので午後の仕事もはかどります。食材も豊富で野菜がたくさん取れるので、身体にも嬉しいです」(黒木さん)と、社員もとても気に入っている様子。
作りたい人が作る
まかない制度は当番制ではなく、その日ごとに作りたい人が作るというゆるやかなルールの下で取り組まれている。「週に2~3回は料理します」(櫻井さん)などと、多くの社員は積極的にキッチンに立つ。若手社員が多く、自宅で一人分の料理をすることがなかなか難しいこともあり、会社で料理ができるのはありがたいという声が多い。
社員同士のコミュニケーションも活発になった。「現在クックパッドの社員は約100名です。中途入社のみのため、部署が違えばあまり関わることはありません。しかし、ひとたびキッチンに集まって料理をすれば、『何を作っているの?』などと自然に会話が弾みます」(櫻井さん)。