世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年7月16日

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 米外交評議会研究員のJonathan Hillmanが、米印戦略対話の開催に際して、ロサンゼルス・タイムズ紙に6月12日付で掲載された論説で、米国は、インドに接近しようとしているが、その期待はしばしば裏切られている。米国はインドの実体を認識して、硬軟を使い分けるべきである、と論じています。

 すなわち、米国は、原子力技術の提供という花や、80億ドルに及ぶ武器供与というチョコレートで、インドに求愛しているが、インドは米国を受け入れようとしていない。

 米国はインドの安保理常任理事国入りを支持しているが、インドは、安保理で、しばしばロシア、中国側についている。

 米国は、「求愛攻勢」を続けるだけでなく、必要に応じて、インドが米印関係についてはっきりした態度を表明し、国際社会におけるその役割を明らかにするよう、航空宇宙技術や軍事技術の供与などに際しては、米国が優先する外交政策課題への支持を条件とするといった、強硬策も用いて、働きかけるべきだ、と述べています。

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 この論説の判断は、インドを多少なりとも知っている人にとっては常識的なことと言ってよいでしょう。ただ、その対策としては、あまり現実的でない提案をしている感があります。

 インドは、建国以来、フェビアン社会主義と非同盟の長い伝統がある国であり、また、大国であって、容易に国の進行方向を変えられる国ではありません。インドを取り巻く情勢の変化に応じて、自らのダイナミックスで徐々に動く国です。

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