ポスト胡錦濤政権は
経済成長の軸足を量から質へシフト

「十八大」で指導者交代しても、
中国経済の安定成長路線は不変


中島厚志 (なかじま・あつし)  経済産業研究所理事長

1952年生まれ。東京都出身。東大法学部卒業後、75年日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。パリ興銀社長、日本興業銀行調査部長、みずほ総合研究所専務執行役員チーフエコノミストなどを経て現職。著書に『統計で読み解く日本経済 最強の成長戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『日本の突破口―経済停滞の原因は国民意識にあり』『世界経済連鎖する危機―「金融危機」「世界同時不況」の行方を読む』(東洋経済新報社)など。

中島厚志が読み解く「激動の経済」

混迷の度合いが増す一方の経済情勢。一歩先すら見渡せないこの時代を生き抜くためには、情報の感度、取捨選択能力、読解力が問われます。テレビ東京系「ワールド・ビジネス・サテライト」のコメンテータでもお馴染みでした、中島厚志氏が「激動の経済」を読み解きます。

»最新記事一覧へ

中国経済の成長鈍化が続いている。7月に発表された2012年4-6月期の実質GDP成長率は7.6%(前年同期比)となり、約3年ぶりに8%を下回った。また、消費者物価上昇率も7月には1.8%(前年同月比)と、2年半ぶりに2%を下回った。

 足元の中国経済への大きな関心のひとつは、中国経済の成長が鈍化したままとなるのか、それともふたたび加速するのかにある。中国を取り巻く世界経済の減速も踏まえると、それは中国政府が積極的な景気対策を打つかどうかへの関心でもある。

 しかし、中国経済は構造的に変化しており、今年秋に予定される国家指導者の交代があっても高成長路線に戻ることはないだろう。そして、これからの中国経済は、石油ショック後の日本経済と同じように、経済成長の中身を量から質に転換し、安定成長を図る道筋を追求することとなろう。

アジア経由で波及する欧州債務危機の影響

(図表1) 中国の実質GDP成長率に占める内外需別寄与度
拡大画像表示

 足元の中国経済の成長鈍化の大きな要因は、世界経済の成長鈍化にある。中国経済の成長率を内外需別に示すと、外需の成長寄与度が2006年ごろの4%台から足元では1%未満に落ち込んでいる(図表1)。

 この外需の成長寄与度の低下だけでも、2006年当時と比べると3%あまりの成長減速要因になる。しかも、中国経済の外需と内需の相関は日本よりも強く、外需の伸び悩みが国内経済を含めて経済全体の成長鈍化の大きな要因になっていることは明らかといえる。

1
nextpage
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
「中島厚志が読み解く「激動の経済」」

著者

中島厚志(なかじま・あつし)

経済産業研究所理事長

1952年生まれ。東京都出身。東大法学部卒業後、75年日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。パリ興銀社長、日本興業銀行調査部長、みずほ総合研究所専務執行役員チーフエコノミストなどを経て現職。著書に『統計で読み解く日本経済 最強の成長戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『日本の突破口―経済停滞の原因は国民意識にあり』『世界経済連鎖する危機―「金融危機」「世界同時不況」の行方を読む』(東洋経済新報社)など。

WEDGE Infinity S
ウェッジからのご案内

Wedge、ひととき、書籍のご案内はこちらからどうぞ。

  • WEDGE
  • ひととき
  • ウェッジの書籍