2022年10月7日(金)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2012年8月30日

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中島厚志 (なかじま・あつし)

新潟県立大学国際経済学部 教授

東京大学法学部卒。日本興業銀行入行。パリ興銀社長、みずほ総合研究所調査本部長、経済産業研究所理事長などを経て2020年4月から現職。主な著書に『大過剰 ヒト・モノ・カネ・エネルギーが世界を飲み込む』(日本経済新聞出版社)。
 

 中国経済の成長鈍化が続いている。7月に発表された2012年4-6月期の実質GDP成長率は7.6%(前年同期比)となり、約3年ぶりに8%を下回った。また、消費者物価上昇率も7月には1.8%(前年同月比)と、2年半ぶりに2%を下回った。

 足元の中国経済への大きな関心のひとつは、中国経済の成長が鈍化したままとなるのか、それともふたたび加速するのかにある。中国を取り巻く世界経済の減速も踏まえると、それは中国政府が積極的な景気対策を打つかどうかへの関心でもある。

 しかし、中国経済は構造的に変化しており、今年秋に予定される国家指導者の交代があっても高成長路線に戻ることはないだろう。そして、これからの中国経済は、石油ショック後の日本経済と同じように、経済成長の中身を量から質に転換し、安定成長を図る道筋を追求することとなろう。

アジア経由で波及する欧州債務危機の影響

(図表1) 中国の実質GDP成長率に占める内外需別寄与度
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 足元の中国経済の成長鈍化の大きな要因は、世界経済の成長鈍化にある。中国経済の成長率を内外需別に示すと、外需の成長寄与度が2006年ごろの4%台から足元では1%未満に落ち込んでいる(図表1)。

 この外需の成長寄与度の低下だけでも、2006年当時と比べると3%あまりの成長減速要因になる。しかも、中国経済の外需と内需の相関は日本よりも強く、外需の伸び悩みが国内経済を含めて経済全体の成長鈍化の大きな要因になっていることは明らかといえる。

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