ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、北朝鮮で最大の動物園に、ライオンやヒグマ2頭など計70匹以上の動物を贈った。ロシア天然資源環境省が20日、発表した。両国の関係の深まりを示す新たな出来事となった。
同省はメッセージアプリ「テレグラム」の公式チャンネルで、アレクサンドル・コズロフ天然資源環境相が動物たちを貨物機で、北朝鮮の首都・平壌(ピョンヤン)に運んだと明らかにした。
贈られた動物にはヤク2頭、オウム5羽、キジ数十羽、オシドリも含まれていると、同省は説明した。
北朝鮮とロシアをめぐっては、北朝鮮が兵士数千人をロシア兵と一緒に戦うためにウクライナに派遣したと、アメリカと韓国が数週間前に明らかにしている。
コズロフ天然資源環境相は平壌に滞在中、北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)総書記を表敬訪問した。
ロシアが北朝鮮に動物を贈ったのは、比較的最近に限ってもこれだけではない。
プーチン氏は今年、金氏に純血種の馬24頭を贈った。北朝鮮から砲弾の提供を受けたことへの感謝の印とされる。
ロシアと北朝鮮は共に西側の制裁に直面しており、両首脳はここ数カ月で協力関係を強化している。
ロシアはウクライナでの戦争への支援を必要としている。一方、北朝鮮はミサイル開発計画に有用なロシアの宇宙技術を必要としている。
このところ深まっている両国関係は、6月にプーチン氏が北朝鮮を訪問し、金氏との間で、互いの国を「侵攻」から守るとする条約に署名したことで、いっそう明らかになった。
その訪問の際、プーチン氏は金氏に、ロシア製の自動車「アウルス」のリムジンや茶器のセット、美術品を贈った。
金氏は車好きとみられており、マイバッハのリムジン、数台のメルセデス、ロールス・ロイスのファントム、レクサスのスポーツ用多目的車に乗っている姿が、これまでに確認されている。
プーチン氏は2月にも、金氏にアウルスを贈っている。金氏はその5カ月前、ロシア極東のボストチヌイ宇宙基地を訪問した。