米大リーグ、ドジャースとパドレスによる開幕戦シリーズが3月20、21日、韓国・ソウルの高尺ドームで開催された。ドジャースの大谷翔平選手や、パドレスの開幕投手を務めたダルビッシュ有投手ら日本選手が注目を集めたが、韓国選手もパドレスの金河成(キム・ハソン)選手が“凱旋出場”を果たした。
近年は、日本球界のトップ選手のメジャー流出が相次ぐ中、アジアのライバルでもある韓国出身のメジャーリーガーはそれほど多くはない。昨年春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも過去の日韓戦のような熾烈な争いにはならなかった。
韓国メディアからも、韓国野球のレベル低下を指摘する声が出ている。投手の力が落ち、打者も速球への対応に課題がある。
根底にあるのが、高校野球の木製バットへの変更という指摘があり、これは、高校野球で低反発バットを導入した日本球界の将来にも影響する可能性もある。韓国野球の現在地を検証する。
かつての「ライバル」の変化
韓国は2023年10月に中国・広州で開催されたアジア大会を制し、同大会では4連覇を飾る。このとき、日本にも2―0で勝利したアジア王者・韓国代表はこのとき、韓国プロ野球(KBO)で活躍する若手を中心に編成された実質的なオールプロのメンバーだったのに対し、日本代表は社会人野球でプレーする選手の選抜チームだった。
韓国紙「スポーツ京郷」の記事を引用した日本のインターネットメディア「THE ANSWER」によれば、同紙はこのとき、同年春に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を引き合いに出し、「日本の社会人野球が水準が高いとはいうが、プロの最上位とは距離がある。大谷翔平らMLBで活躍する選手と、日本のプロ野球を網羅した最精鋭の代表と対戦したWBCでは、4―13で大敗して格差を確認した」と痛烈だった。
実際、アジア大会後の23年11月に韓国、台湾、豪州によるプロ野球選抜チームで争われた「アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」では、若手主体の日本代表「侍ジャパン」が決勝で韓国を延長タイブレイクの末とはいえ、4―3で破って大会2連覇を達成している。
日本代表が連覇した06年第1回WBC、09年第2回WBCでは、韓国は強力なライバルだった。また、韓国は08年北京五輪の金メダルも獲得。2000年代前半の韓国は手強い存在だった。