2026年3月2日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年3月2日

 2月10日付けウォールストリート・ジャーナル紙は「日本の総選挙は中国の圧力が逆効果となり得ることを示した」との解説記事を掲げ、高市早苗首相の台湾発言への中国の圧力は逆効果だったが、中国に近い日本や台湾には大国関係をヘッジする余地が限られている、と解説している。概要は次の通り。

(Oleksii Liskonih/gettyimages・ロイター/アフロ)

 昨年の台湾発言以降、中国は高市首相を罰そうとしてきた。高市首相が、もし中国が武力で台湾を併合しようとすれば日本も紛争に巻き込まれる、と発言した後、中国は経済的報復と日本の安全悪化を脅したが、それは逆効果だった。高市首相はコメントを取り下げず、2月8日の選挙で地滑り的な勝利をした。

 保守派の高市は、米国との関係を一層緊密化すべく防衛費を増額する可能性が高いが、それは中国をさらに怒らせるだろう。

 中国は、将来の台湾を巡る紛争で日本が自衛または同盟国防衛のために関与する可能性があるという11月の発言に激怒した。中国指導部は経済報復と外交的抗議をし、第二次世界大戦時の軍国主義の再来と呼び、猛烈な反高市宣伝をした。

 中国の外交官は日本が突っ込んできた汚い首は切り落とすしかないと脅した。中国は日本への観光旅行をキャンセルし、日本企業が必要な希少金属や磁石へのアクセスを制限した。

 しかし、中国は他国に同じ立場をとらせることに失敗した。高市は中国に立ち向かい、中国の真の姿を広めることに成功し、中国の対日批判を支持した国は皆無だった。

 中国の圧力は続くだろう。選挙後、外交部報道官は、選挙では何も変わらず中国は高市の間違った発言の撤回を目指すと発言した。

 日本の有権者は中国の虐めに立ち向かう指導者を支持した。中国の経済報復で、国民は高市が警告していた中国への過度な経済依存リスクを正に味わった。新政権は対中経済関係をさらに弱めるだろう。


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