2026年6月5日(金)

【解剖】中国の対日情報戦略―台湾・FactLinkレポートを読む

2026年6月5日

 日本の高市早苗首相が昨年国会で「台湾有事」に言及したことを受け、中国は対抗措置として日本に活発な情報戦を展開した。その際の中国の手法は、台湾が過去に中国の「レッドライン」に触れた際の反応と極めて類似していた。

 台湾の民間団体「FactLink(デジタルリテラシーラボ)」は、台湾のベテランファクトチェッカーや研究者の視点から、中国による日本と台湾に対するプロパガンダおよび偽情報による操作の相違点と類似点について詳しい分析を加えた。類似の中国による情報戦工作に対応した経験に基づき、日本政府、メディア、市民社会がどのように「情報防衛ライン」を構築すべきかについて具体的な提言も行ないながら、今春、台湾で中国語版のレポートを公開した。

 日本のジャーナリストで大東文化大学教授、野嶋剛氏の監修のもと、そのレポートを3本の記事にわけて日本語版として、掲載する。

※一部の中国語のSNS発信は編集部が翻訳して掲載しています。

WeiboからXへ:中国情報戦二つの主戦場

 中国共産党(CCP)における対内・対外プロパガンダにおいて、Weibo(微博)は中国政府が国内世論を形成するための重要な経路であり、Xは、中国の外交官が国際的な宣伝を展開する場として、日本の社会へ在日中国外交官が中国の立場を表明する舞台ともなっている。

 FactLinkチームは、高市氏の就任後に中国が展開したプロパガンダキャンペーンを把握するため、コンテンツ分析手法を用いてWeiboの投稿を分析し、Xでの中国駐日外交官の投稿を観察した。

 台湾民主実験室が提供するFIMI Intelligence Dashboardプラットフォームを使用し、11月1日から12月6日(高市氏が11月7日に「台湾有事論」を発表してから1カ月後)までの期間に、「高市早苗」というキーワードを含むWeiboの投稿を収集し、計1万5241件を分析した。Xの投稿分析では、中国外交機関および当局者の投稿日時と発言内容に焦点を当て、Weiboの投稿日時と比較することで、世論攻撃の主体と主要な論調を観察した。


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