2026年4月8日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年4月8日

 2026年3月15日付ウォールストリート・ジャーナルは、「10日間の停止の後、中国は台湾周辺の軍事飛行を再開」との記事を掲げ、この「停止」の意味に関する幾つかの説明を紹介している。

(Kreativorks/hanhanpeggy/gettyimages・ロイター/アフロ)

 3月15日、台湾は、最近不思議にも中断されていた中国による台湾空域近辺での威嚇行為、空軍機の飛行が再開され中国機が同空域に押し寄せたと報告した。台湾国防省は、過去24時間の間に26機の中国機が、台湾が自国領と見なす空域の近傍で飛行するのを確認したと述べた。

 その内16機は、中国と台湾を隔てる100マイル幅の台湾海峡の中台中間線を超えるか、または、台湾のADIZ(防空識別圏)に入域した。それに加え7隻の中国海軍艦船が台湾周辺海域を航行した。

 これらの入域の再開は、説明の無い10日間の稀な中断を終わらせ、中国の意図に対する憶測と不確実性を高めた。中国は台湾を自国領の一部と見なし、それを管理下に置くために武力を行使する可能性を否定していない。

 2020年後半以降、従来は不定期だった中国による侵入は、台湾周辺でのグレーゾーンの威嚇となる定期的なものに変わった。時には大規模な軍事訓練に発展するこれらの侵入は、過去は見出しになっていたが、日常的な事件になるにつれて注目されなくなった。実際、中国軍による台湾ADIZへの継続的な侵入は、新たな常態になり、中国はそれを日常的なものにし、言及さえしないことで、実際上中間線を消し去ろうとしている。

 なぜ戦闘機の派遣を止め、再開したのかについて中国は直接的な説明をしていないが、米台両国の高官は、種々の分析をしている。台湾国防相のウェリントン・クーは、我々は航空機の不在という一つの兆候のみに依存することはできないと述べ、中国海軍艦船が引き続き台湾の周囲に日常的に存在していることに留意した。


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