クー曰く、台湾軍は引き続き緊張体制を維持している。ある分析家は、トランプ大統領と習近平主席との重要な首脳会談の準備が加速化しているというタイミングで中断が行われたことを指摘する。他の分析家は、米国に軍事的脅威の低下を印象付け、警戒感を下げさせるためではないかと示唆する。また別の分析家は、入域中止は、中国の軍事訓練手順の変更を反映したものではないかと想像する。
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人民解放軍に意思決定と実施能力があるのか
中国空軍機による台湾防空識別圏侵入の常態化は、20年8月、トランプ第1期政権時に、コロナ対策での連携で、79年の台湾との断交以来最高位のアザー保健長官が訪台した直後の9月以降で、その後22 年のペロシ米下院議長(当時)訪台で、益々組織化したとの経緯がある。
今回の稀な10日間の中断の中国の意図を巡って右往左往するのは意味がないと思うが、この中断のタイミング(中断は2月末から始まり、再開は3月11日。ちなみに、全人代は3月5日~12日)から見て、延期される前のトランプ大統領訪中と何らかの関係があると考えるのが自然だと思う。一部には、緊張緩和を演出し対台湾武器供与の撤回を目指したものと見る向きもあるが、中国はそこまで脳天気ではないだろう。
より重要な問題は、この中止は意図的なものかどうか、換言すれば、このような完全中止を行う政治的意思決定と実施を人民解放軍は行える状況にあるのかどうかということである。2月24日に張又侠中央軍事委員会副主席・党中央政治局委員の失脚が国防部により発表され、中央軍事委員会メンバーは元々の7人から習近平を含む2人に減少したが、全人代でその欠員が埋められることは無かった。
ある台湾関係者の分析によれば、22年時点で将軍だった軍人その後三ツ星に昇格した軍人の数は47人だが、その内87%に当たる41人が追放されている。また、20年以降三ツ星将軍に昇任された軍人は35人だが、その内32人が捜査を受け、内29人が追放された。残る3人の内、1人は死亡している。
