フィギュアスケート男子でオリンピック(五輪)2大会連続メダリスト(銀、銅)の宇野昌磨さんと、女子シングル時代に国際大会でも活躍した本田真凜さんが、ともに現役に復帰してカップル競技のアイスダンスに挑戦する。引退後はともにプロの世界で活躍し、プライベートでの交際も公表する2人が手を携えて目指すのは、2030年にフランスで開催される五輪出場だ。
日本フィギュア界は、世界トップレベルにある男女シングルに加え、ペアも“りくりゅう”こと三浦璃久さん、木原龍一さん組が26年ミラノ・コルティナ五輪で金メダルを獲得したことで、人気も知名度も高まった。五輪で悲願の団体金メダルに向けても、最後のピースがアイスダンスだった。
同じフィギュアスケートでも種目転向は決して容易ではないとされるが、2人の挑戦がアイスダンスのレベルの底上げだけでなく、人気面でもスポットライトを当てる“地殻変動”に期待が高まる。
覚悟を決めた2人
「(会見場の報道陣が)真凜のスケートが素晴らしいものだとわかってくれているのは承知の上で、もっともっと素晴らしさを僕がパートナーであることでより引き出して見せられるように二人で練習していく。アスリートとして競技に挑戦する時に一番大きな目標を掲げて突き進む。二人だからこそ共通の認識を持ちたいと思いましたし、明確に目標があった方がそこに向かって進んでいくのが間違いなく楽しい。オリンピックはシングルの時より意識して挑戦すると思います」
宇野さんは東京都内で開いた記者会見で、このように語った。2人は、宇野さんが男子シングルで現役だった時代と同じトヨタ自動車の所属となるという。練習拠点や、指導するコーチはまだ明らかになっていないが、今秋から、まずは国内の競技会に出場していくプランだという。
カップル結成の転機は2年前にさかのぼる。宇野さんは24年5月に男子スケーターとしての競技を引退し、プロスケーターになった。その後、一足早く24年1月に女子シングルを引退していた本田さんにアイスダンスへの転向を誘ったという。本田さんは悩んだ末に復帰を決断し、25年の10月から挑戦が始まった。
この間、本田さんにも葛藤はあったという。リンクの外での交際と、一緒に競技者としてスケートに打ち込むことは別次元の話になる。宇野さんは男子シングルで世界のトップまで上り詰めた実績があり、アイスダンサーとしての再出発は、男子時代の輝かしいキャリアに傷をつけるリスクもあると考えたからだ。
