今年の夏も酷暑が続く。毎日のニュースも酷暑ネタから始まり、日焼けは危険だと注意される。もはや、夏はアウトドアどころか野外に出ない方がよいらしい。
そこで頭に浮かんだのが、真夏の林業現場だ。主に草刈り(林業用語的には下刈り、下草刈り)を行う作業は、もっとも過酷と言われている。
これまで伐採した跡地に再造林が進まない問題を取り上げてきたが、実は跡地に苗木を植えれば解決するのではない。その後に下刈りをしないと、その苗木はまともに育たないのだ。いわば再造林と下刈りはセットになっている。
筆者も若い頃、下刈り作業を体験的に従事したことがあるが、炎天下の作業は頭が真っ白になり意識が飛ぶほどきつかった……。そんなことを思い出していると、不意に連想したのが、今年6月に政府が新たに決めた森林林業基本計画だ。
その中に「林業従事者の所得を引き上げる」目標を示されたのである。2030年までに林業従事者の平均所得(22年時点で361万円)を全産業平均並み(同458万円)に引き上げるというのだ。
一見、関係のないように見える真夏の下刈りと、林業所得の引き上げ。この二つから現代の日本林業の隠れた問題点を考察したい。
