2026年9月11日(金)

教養としての中東情勢

2026年9月11日

 ロシアのプーチン大統領は9月1日、イランのペゼシュキアン大統領と中央アジア・キルギスの首都ビシケクで会談した。両国は昨年「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結した同盟国。「イランが必要とする物資の供与」を確約したが、実際にはイランを利用しているのはプーチン氏の方だ。互いに戦争当事者で世界から制裁を受ける両国の関係を探った。

(ロイター/AP/アフロ)

浮き彫りになったイラン制裁の有名無実

 今回のビシケクでの会談は同地で開催された上海協力機構(SCO)首脳会議に合わせて行われた。会議は米国のイラン攻撃を念頭に「民間人とイラン経済に甚大な被害」を与えたとする「ビシケク宣言」を発表。だが、ロシアによるウクライナ侵攻の国際法無視には言及なかった。

 会議で浮き彫りになったのはトランプ政権の「対イラン制裁」の有名無実だ。トランプ大統領は8月、イランと取引する第3国に対し、「2次制裁」を科すと大々的に発表。これまでエジプトやトルコの銀行などに制裁を科した。

 しかし、イラン原油の90%を輸入する中国には見て見ぬふりだ。大統領は中国の関与は「ごくわずか」として制裁対象にする考えはない。

 トランプ氏は以前、ロシアの石油購入国に制裁を科すと大見えを切ったが、大口輸入国である中国には制裁を加えなかった。習近平国家主席の9月24日の訪米が迫っているとはいえ、「強い者」には弱く、「弱い者」には強く当たるというトランプ氏の性癖が現れた格好。隣国のカナダとは関税の掛け合いの貿易戦争になっているのとは大きな違いだ。


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