米国との対立を深めるイランに対し、ロシアが接近を深めている。いらだつ米国はロシアの有力銀行への新たな制裁に踏み切ったが、プーチン政権は気に掛けるそぶりも見せない。
ロシアは、トランプ政権の対イラン戦略が失敗すると判断しているとみられ、重要度を増すイランとの共闘関係を犠牲にする考えはないのが実情だ。プーチン大統領は、ウクライナ侵攻の成否を左右しうるトランプ大統領への直接的な批判は避けつつ、イランを実質的に支えることで二兎を得ようとしている。
米・イスラエルの失敗を強調
「イランは米国とイスラエルの共同侵略という、長年にわたり自国を脅かしてきた脅威に対して耐えうることを証明してみせた。ワシントンとテルアビブは、その意思を武力でもってイランに押し付けることはできないと自ら証明した」
「一方でモスクワは、原則的な立場を維持することに成功した。それはつまり、イランとの連帯を表明し、(イランへの攻撃を)侵略と名付け、国連安全保障理事会におけるバランスを欠いた決議の草案に対し拒否権を行使したということだ」
今年4月、ロシアの有力シンクタンクは米国・イスラエルによるイラン攻撃をめぐり、率直な評価を下してみせた。同シンクタンクは政権寄りの姿勢で知られる。ロシア政府が外交の場では決して表立っては表明しないものの、実際に考えていることをこの論文が反映していることは疑いがなかった。
ロシアはイランに対する協調姿勢を鮮明にしている。
