2026年10月20日付フィナンシャル・タイムズは、10月17日の週末に生じたフランスの暴動について、マクロン政権の機能不全を示すもので、来年の大統領選挙ではル・ペン氏に有利に働くが、いずれの候補者にも問題解決策はないと論じている。
フランスでは各地でデモが広がった(ロイター/アフロ)
大規模な抗議活動に慣れているフランスにおいてさえ、この週末に全土で勃発した激しい暴動と略奪は衝撃的だった。約 2400 人が逮捕され、3000 以上の店舗や事業所が被害を受けた。
暴徒は市庁舎等の建物に侵入し放火し、その破壊行為は反乱を思わせる程だった。政府は、この混乱を極左過激派や犯罪集団が扇動したと非難している。反資本主義のアナーキストたちが暴力に関与していた可能性がある。
彼らに混沌と破壊の責任を負わせるべきだが、警察活動と情報収集の重大な失敗については政府の負うべき責任も重い。当局は、抗議活動の規模と扇動者らの暗躍を著しく読み違え、投入した警察部隊の規模やその装備が不足したケースもあり、公共の混乱に対する当局の場当たり的な対応も疑問視される。警察は高校生らの数週間にわたるデモの際には時に強硬な手段に出たが、今回は対応能力が不十分だったのである。
街頭で繰り広げられる暴力の嵐は、国家権力に対する国民の信頼を損ない、企業心理を冷え込ませ、フランスの国際的な評判を傷つけている。重要産業である観光業にとっても深刻な打撃となりかねない。
議会で過半数を有しないルコルニュ首相、そして国民の支持を失っているマクロン大統領は、来春の選挙を控え任期も残りわずかで、現実的な解決策を講じる余地はほとんどない。それでも、少なくとも国民の安全を守る責任はある。
