2026年10月28日(水)

プーチンのロシア

2026年10月28日

 ロシア極東サハリン州ユジノサハリンスクにおいて10月13日、北海道新聞の男性記者がロシア連邦保安庁(FSB)の職員によって逮捕・拘束された。報道によれば、ロシア側は、日本人記者が日本の情報機関の指示を受けて、ロシアの安全保障に敵対的な目的で、ロシアの防衛情報を収集していたと非難している。

北海道新聞の記者が拘束されているモスクワのレフォルトヴォ刑務所(2023年3月の資料写真、AP/アフロ)

 日本政府および北海道新聞は、スパイ活動を行っていたというロシア側主張を真っ向から否定した上で、即時釈放を求めている。また、日本政府は、速やかな情報提供、人道的配慮、そして日露間の領事条約に基づいて本件記者と日本の外交官との接触(領事面会)を強く要求し、26日、外務省が記者との「領事面会」を行ったと発表した。記者の健康状態に問題はなく、日本政府は即時解放や人道的配慮および公正・公平な取り扱いを強く求めていくという。

 この事件の背景、ロシア側の思惑、解決のために日本側がとるべき方策、そして、この事件が意味することを考察したい。

日露関係の悪化

 この事件は、2022年2月24日に開始されたロシアによるウクライナへの全面的軍事侵攻に対し、日本が国際社会の同志国とウクライナを支援し、ロシアへ厳しい制裁措置をとっている結果、日露関係が悪化している中で起きた。

 特に、今年の夏以降、地上戦で苦戦しているロシアは、ウクライナを支援している欧州諸国に対してドローンによる領空・領海侵犯やテロ活動を含むハイブリッド攻撃を拡大・強化するとともに、同じくウクライナを支援している日本に対しても、北方領土の一つである択捉島をプーチン大統領が訪問したり、日本周辺で中露が共同で軍事演習を実施したり、日本の安全保障政策を「新軍国主義」とレッテル張りして中国と一緒になって非難するなど、様々な形で揺さぶりをかけてきている。


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