2026年10月13日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年10月13日

 9月下旬の10日ほどの間に、ウクライナ戦争に影響を与えると思われる重要な出来事が立て続けに起こっている。特に重要と思われるものを3つ挙げると、第一に、国家院選挙における与党「統一ロシア」の勝利。第二に、ウクライナによるモスクワを含むロシア領内への大規模攻撃。第三に、トランプ大統領による対ロシア制裁法案(いわゆるリンゼイ・グラハム法案)への署名である。

(AP/ロイター/アフロ)

 以下では、これらの3点につき、ウクライナ戦争にとっての意味合いという観点から、それぞれにつきコメントしたい。

1.国家院選挙の結果について

 9月20日に行われた、2022年のウクライナ侵攻後初となるロシアの議会選挙で、プーチン氏は「筋書き通り」の勝利を収めた。9月21日の中央選管発表によれば、プーチン氏の与党「統一ロシア」が450議席中355という圧倒的多数を確保した由である。

 9月23日、プーチンは政府閣僚との会合で、今回の選挙結果は、ロシア国民が「国家の強化に向けた我々の取組みを支持」していることを示した、とした上で、前線で戦っている兵士たちに呼びかける形で、「今回の投票はあなた方のためであった」としてこの選挙の意味を規定し、続けて「『特別軍事作戦』」の目標が達成されることに何の疑いも抱いていない」と表明した。

 今後、プーチンはこれまでにも増してウクライナ戦争の目標を達成するための措置を強化していくと思われるが、その一つには、「動員」という形をとるか否か、またどのタイミングかは別として、兵員を大幅に増やす措置が含まれるだろう。

 理由は簡単だ。プーチンの当面の目標は何が何でもドンバスの全域を占領することであるが、いまだ占領できていない地域が少なくとも4000平方キロメートル(㎢)程度ある。ところが領土の占領は、ミサイルやドローンだけでは絶対に無理で、必ず「人」を出さなければならない。現地の情報がどれほど歪んだ形でプーチンに報告されていても、さすがに4年半以上戦ってもいまだに「完全制圧」の報告がなされないことが何を意味するかはプーチンにも分かるはずだ。


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