2026年10月1日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年10月1日

 9月5日から6日にかけて、トランプ大統領のスティーブ・ウィトコフ、ジャレッド・クシュナー両特使がモスクワ、キーウを訪れ、米国を仲介するウクライナ・ロシア直接協議の再開を目指す取組みが開始された。

(Vlad Yushinov/gettyimages・(ロイター/アフロ))

 今回の動きが、何らかの形で米ウ露「三者協議」の再開に繋がる可能性はある。ただし、現時点で想定されているのは、ゼレンスキー大統領が望み、また8月にラトクリフ米中央情報局(CIA)長官が露側に打診したと報じられている「三首脳間の協議」ではなく、本年2月を最後に実施されなくなった「実務者協議」の再開だ。

 さらに、この「実務者協議」についても、現時点においてそれが本格的な和平合意に向けた動きへと繋がる可能性はほぼ期待できないだろう。特に次の点を考慮する必要がある。

 第一は、プーチンに妥協の意思が全く見られないのみならず、むしろ状況は自国に有利であるとの認識を強めつつあると思われることである。

 ウクライナ侵攻におけるプーチンの目的は、端的にウクライナの支配であり、ドンバスを含めロシアが一方的に併合したウクライナ4州の領有はその一段階に過ぎない。この目的意識は2022年2月に全面侵攻を開始して以来、一貫して変わっていない。この戦争は、プーチンが止めると言わない限り、終わらないのである。

 ところが今日、ロシアはウクライナ全土に対する空爆を一層強め、ウクライナは弾道ミサイルの攻撃を防御し切れず、エネルギーをはじめとする多くの民生施設が次々と破壊され、(ロシアの経済状況は一層悪化しているにも関わらず)プーチンはこれまでにも増して強気になっているとみられる。


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