2026年9月24日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年9月24日

 ワシントン・ポスト紙の8月27日付け解説記事が、「8月25日のラトクリフ米中央情報局(CIA)長官の訪露では、ロシア側に対し、ウクライナ戦争をこれ以上激化させないようにとの『警告』がなされたが、その背後には、米国が弱体化したとプーチンが見ていることを示唆する米情報機関の評価がある」としている。要旨は次の通り。

(Denys/gettyimages・ロイター/アフロ)

 関係者によると、8月25日のラトクリフCIA長官によるモスクワへの極秘訪問に先立ち、ロシアが米国はイランとの戦争で弱体化したと見て欧州における米国の権益や同盟国に対する行動を激化させる好機と捉えていることを示唆する、米国の情報がもたらされていた。

 ラトクリフ長官はロシアに対し、ウクライナでの戦争を激化させるようなことは逆効果になる、と警告したという。

 プーチンが、米国が弱体化したと見ていることを示唆するこの機密情報は、長期化した対イラン軍事作戦の結果、米軍の即応態勢が低下し、弾薬が不足しているとの報告に続くものだ。

 米軍の主要兵器の備蓄は深刻な枯渇状態にある。これには「パトリオット」などの防空システムに加え、トマホーク巡航ミサイルや、ウクライナでも需要が高い短距離弾道ミサイル「ATACMS」といった高度な攻撃用兵器も含まれる。こうした兵器不足はアジアの同盟国に、中国との潜在的な衝突を抑止する米国の能力について疑問を投げかけている。

 ウクライナでの地上戦が事実上の膠着状態に陥る中、モスクワとキーウは互いの領土に対し、破壊力の大きい攻撃を激化させている。ただ、ウクライナが米国から供給された防空ミサイルの備蓄は減少しており、ロシアはこの状況につけ込んでいる。欧州諸国はキーウへの迎撃ミサイル供給を約束しているが、その多くは来年まで到着しない見通しだ。

 関係者によれば、ラトクリフ氏のモスクワ訪問は、プーチン氏が「追い詰められた」からというより、「米国は(兵器などが)枯渇しており介入できない」とロシアが判断したことによる側面が強いという。ラトクリフ氏はロシア当局者に対し、プーチンがウクライナでの戦争を大幅に激化させれば、トランプをウクライナのゼレンスキー大統領に接近させることになると伝えたと、ある関係者は語った。


新着記事

»もっと見る