2026年10月26日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年10月26日

 ウォールストリート・ジャーナル紙コラムニストのミードが、10月12日付け同紙掲載の論説で、MAGAの抑制派と強硬派のバランスを取って来たトランプが中間選挙に向けた厳しい状況の中、「衝撃と畏怖の外交」により立場を強化しようとしており、世界は彼の衝撃外交に備える必要がある、と警告している。要旨は次の通り。

(Roberto Schmidt / Greggory DiSalvo/ISAREE K TIMMS/gettyimages)

 トランプは、アメリカ政治の中心に10年以上いるにもかかわらず、今でも世界を驚かせることができる。最近だけでも、中間選挙後のイランへの新たな攻撃の示唆、欧州に武器供給の停止の可能性を警告する一方でロシアからディーゼル燃料購入を表明し、フーシ派への攻撃参加の検討表明、キーウを驚かせた「エネルギー停戦」の発表と、さらにゼレンスキー大統領に退陣を求めた。

 大統領の最新の外交活動の暴発は、イラン、ロシア、エネルギーの重要性、そしてヨーロッパの軽視に関する彼の信念を反映している。彼はイランを米国の脅威と見なし、イランの核兵器やペルシャ湾のエネルギー資源支配が米国の利益を脅かすと共に化石燃料が地政学的・経済的力の重要な要素であり続けると信じており、米国が湾岸地域で主導的役割を果たすことを望んでいる。

 同様に、トランプは、米露には共通の利益があると信じている。それは、モスクワが北京の下請けパートナーになるのを防ぐこと、スンニ派のイスラム過激主義への対抗、そして主要なエネルギー生産国としての役割を管理することだ。また、米露の関係は、ウクライナの民族主義的な主張や、リベラル派たちの嘆き等の些細なことで分断されるべきではないと考えている。

 一方、トランプは自身の政治連合が抑制派と強硬派に分かれていることを知っている。強硬派はロシアとイランの両方に対して厳しい政策を求めて、抑制派は米国がモスクワと和解し、中東問題を放置することを望んでいる。

 トランプは、自身の本能と分裂した政策を求める支持基盤の要求の折り合いを付けようと模索してきた。一般的には強硬派にイラン政策への影響力を与え、抑制派にはロシアに対する感情に配慮してきた。

 中東でのより長く混乱した戦争を想定する中、トランプはモスクワとの関係構築を積極的に図ることで抑制派の支持者たちを満足させようとしている。中間選挙が近づく中、ロシア外交を安価な燃料確保の試みとして提示できることも大きな利点だ。


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