2026年10月26日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年10月26日

 しかし、この政策の組み合わせがホワイトハウスから見てどれほど合理的に見えようとも、国民はイラン戦争とそれによってもたらされる高い燃料価格やロシアに対する融和的な姿勢を好まない。

 分裂気味のMAGA連合をまとめているのは、結局はイデオロギーではなく、トランプへの信頼だ。彼の手法は時に奇妙に見え、あるいは不快にさえ感じられるかもしれないが、誰も彼のように実現できる者は他にいない。

 この魔法を維持するために、トランプは米国人や世界を「トランプ・ショー」のスペクタクルに釘付けにし続けなければならない。そして、華やかな約束と、必然的に失望を招く結果との間のギャップを最小限に抑える必要がある。

 ロシアとウクライナの戦争は激化し続け、イランの弱体化と無力さを主張するにもかかわらず、ガソリンとディーゼルの価格は高止まりしたままであり、湾岸地域の米軍基地がイランのミサイルに対して脆弱であるという報告は続いている。魔法はどこに行ったのかと支持者たちは疑問に思い始めている。幻滅はゆっくりと始まるが、急速に拡散しうる。

 衝撃と畏怖の外交は、大統領の立場を強化する突破口への希望をもたらす。世界はさらなるトランプの衝撃に備えるべきだ。彼には事態を沈静化させる動機がない。

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より派手な行動で注目

 この論説は、リアリズムの立場からのトランプについての客観的な分析で定評のあるミードが、トランプはイラン戦争長期化や燃料価格の高止まり等により中間選挙に向けてこれまでにない厳しい状況に入りつつあり、その立場を立て直すためのさらなる「衝撃と畏怖」の大胆な外交に備える必要があると警告するものであり、状況を把握する上で有意義な分析である。

 具体的には、最近のトランプの外交政策は、イラン敵視と親ロシアという彼自身の本能とMAGA派内部の抑制派と強硬派のバランスをとる必要を反映するものであったが、中間選挙を前に燃料価格対策の優先度を上げざるを得ず、ロシアからの燃料供給を求めてウクライナには停戦を要求する等、国内問題を重視する抑制派に傾いていること、そしてそれが必ずしも国民の支持を得られておらず、MAGA派全体の影響力も縮小していることから、益々状況は厳しくなり、トランプとしては、事態を打開しその立場を強化するための「衝撃と畏怖」の外交イニシアティブをさらに展開せざるを得なくなるというのだ。


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